PHVとEVは2025年以降に伸びが加速――富士経済、ハイブリッド自動車や電気自動車などの世界市場調査結果を発表

富士経済は2018年6月14日、HV(ハイブリッド自動車)、PHV(プラグインハイブリッド自動車)、EV(電気自動車)の世界市場を調査し、結果をまとめた「2018年版 HEV、EV関連市場徹底分析調査」を発表した。

同報告書では、HV、PHV、EVをはじめ、FCV(燃料電池自動車)、48VマイルドHVなどの市場動向とそれらの関連部品の市場や技術動向、環境規制動向や各自動車メーカーの車種展開、開発動向を整理分析した。

2017年のHV、PHV、EVの世界市場は合計で324万台(前年比124.6%)となった。内訳はHVが208万台、PHVが40万台、EVが76万台と、現状はHVが市場をけん引しているが、今後はEVシフトが進むとみており、HVにも緩やかな伸長を見込んでいる。PHVとEVは2025年以降に伸びが加速し、拮抗しながら市場をけん引し、2035年にはPHVが1243万台(2017年比31.1倍)、EVは1125万台(同14.8倍)と予測している。

日本市場については当面HVが主流になるとみられ、2035年にHVは131万台を予測している。自動車メーカーのラインアップの主軸がHVから切り替わるタイミングでPHV、EVに関して何らかの購入補助制度開始を見込んでおり、集合住宅での充電スタイルの確立など、消費行動を刺激することで需要は増加するとみている。日本の自動車市場が縮小する中、これら電動自動車の需要は増加しており、2030年以降はPHV、EVの販売比率が高まるという。

北米市場に関しては、ZEV(Zero Emission Vehicle)規制により自動車メーカー各社がPHV、EVの販売に注力するため、伸長すると予測。ただし、ガソリン安から内燃車への需要は継続するとみており、そのため2035年のPHVとEVの販売比率は、北米の自動車市場の17.6%にとどまると予想している。

欧州市場については、環境規制と補助金によってPHV、EVが伸長し、特に財政が豊かな先進国の需要が増加すると予想している。しかし、補助金政策の後押しがないと需要が創出できない状況は当面続くため、南欧や東欧諸国は厳しい状況だ。そのため2035年のPHVとEVの販売比率は27.4%と予想するものの、南欧や東欧諸国においては内燃車需要が中心とみている。

中国は電動自動車産業を育成し、自動車メーカーの商品競争力を高めている。当面は外資系自動車メーカーの合弁規制を緩和してEVシフトを展開する構えだ。しかし、自動車メーカーの育成や、電力の供給、電力/充電設備などの整備、内陸部までの需要拡大には、今後10年以上かかると予想している。

ASEAN/東アジア市場は、富裕層向けの高級EVや、都市交通の手段としてのコンパクトEVの需要が期待できるという。しかし、当面は電力供給などのインフラ整備が課題になるとみている。

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