高度な状態監視で焼き付きを防止――NTN、工作機械主軸用「センサー内蔵軸受ユニット」を開発

NTNは2018年10月18日、軸受軌道面周辺のセンシングにより、工作機械主軸の高度な状態監視と焼き付きの未然防止を可能にする工作機械主軸用「センサー内蔵軸受ユニット」を開発したと発表した。焼き付きを未然に防止することで部品調達や主軸交換の工数と費用、工作機械の再稼働までの時間を削減し、生産性を向上させコストを低減する。また、定期的なメンテナンスをより的確に実施できるため、信頼性の向上にも貢献するとしている。

近年、工作機械には、より高度な状態監視や制御、IoTやAIを活用した無人化や省人化、さらなる生産性の向上が求められている。これらを実現するため、工作機械の基幹部品である主軸やそれを支える主軸用軸受の異常を早期に検知し、突然の予期せぬ損傷や、それに伴う稼働停止、主軸の交換などの損害を防ぐことが強く望まれている。しかし、一般的な主軸外径面での温度や振動の計測はセンサーの取り付けやすさにメリットがある反面、計測位置が軸受軌道面から離れているため軸受の急激な温度上昇などの早期検知が困難だった。

今回、NTNが開発した工作機械主軸用「センサー内蔵軸受ユニット」は、軸受に隣接する外輪間座にセンサーを内蔵し、軸受軌道面の近くで軸受の温度、振動、熱流束を計測する。主軸外径面での計測と比較して軸受の状態を高感度に計測できるほか、熱流束を計測することにより、温度や振動よりも軸受の状態変化を早く正確に読み取り、軸受が焼き付く前に異常を検知できる。このような熱流センサーを内蔵した工作機械主軸用軸受ユニットは業界初だという。

NTNは、同開発品を2018年11月1日から6日に東京ビッグサイトで開催される「第29回日本国際工作機械見本市(JIMTOF2018)」に参考出展する。

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