ジェイテクトは2019年10月3日、鉄鋼設備である焼結機の更なる安定稼働とメンテナンスコストの低減を目指し、軸受寿命が従来品比の2倍となるパレット台車の加圧ローラ用軸受の開発に成功したと発表した。
製銑工程で用いられる焼結機は、鉄の原料となる粉鉱石と粉石炭を焼き固める設備であり、その焼き固められた焼結鉱を積載運搬するのがパレット台車だ。このパレット台車用軸受は、高荷重や衝撃荷重といった厳しい使用条件に加えて粉塵と高温という環境下で使用されているため、軸受部品の更なる長寿命化のニーズが高まっていた。
こうした市場のニーズに応えるべく、ジェイテクトは2018年2月に「加圧ローラ軸受」と「車輪用軸受」などからなるユニットを大幅に改良した。今回はその加圧ローラ軸受に使用される「密封型複列円筒ころ軸受」の特殊シールに更なる改良を加えることで、異物侵入量を従来品比で70%低減できる密封性の高い軸受を開発した。
開発した特殊シールは、主リップにばねをつけることで追随性を向上させるとともに、柔軟性のあるサイドリップと外径ゴム巻きにより密封性を向上させた。ジェイテクトは同製品を2020年1月から同社の国分工場で量産を開始する予定で、国内外の製鉄メーカー向けに、年間売り上げ2.5億円を目指すとしている。