太陽光で二酸化炭素をクリーンな燃料に変える――人工光合成向けの触媒を開発

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Image credit: Baowen Zhou

太陽光を用いて二酸化炭素を天然ガスの主成分であるメタンに変換する、人工光合成のための新しい触媒が開発された。この研究はミシガン大学、マギル大学、マックマスター大学が共同で行ったもので、2020年1月3日、『Proceedings of the National Academy of Sciences』に掲載された。

人工光合成は、多くの場合、二酸化炭素と水から、天然ガスやガソリンに似た炭化水素燃料を生産することを目指している。しかし、非常に安定な二酸化炭素から炭素を取るには多くのエネルギーが必要で、効率的な触媒がなければ二酸化炭素をメタンに変えることは非常に難しい。

今回、研究チームの理論的研究と計算的研究により、銅(Cu)と鉄(Fe)のナノ粒子が重要な触媒成分となることが特定された。銅と鉄は、炭素と酸素原子によって分子に固定され、水素が水分子の破片から炭素原子へと移行しやすくする。

これを用いて今回作られたデバイスは、銅と鉄のナノ粒子が散りばめられた一種のソーラーパネルだ。太陽エネルギーまたは外部からの電流を、二酸化炭素と水を使った化学反応のために使用する。ベース層はシリコンウエハーで、その上部は半導体の窒化ガリウム(GaN)でできた、高さ300nm、幅約30nmのナノワイヤで覆われている。この配置により、反応が起こりうる表面積が大きく確保されている。

今のところ、この人工光合成パネルは、工業用煙突など、高濃度の二酸化炭素供給源に接続する必要がある。触媒成分であるCuとFeは地球上に豊富にあり、パネルの大量生産にも適している。さらに、合成天然ガスや、ギ酸を生成するように構成することも可能だという。研究チームは、5〜10年以内に工業用煙突からの二酸化炭素を、クリーンな燃料にリサイクルする可能性を探っている。

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‘Green methane’ from artificial photosynthesis could recycle CO2

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