切断しても燃やしても作動する、不燃性を備えたリチウムイオン電池を開発

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Credit: Johns Hopkins APL

ジョンズ・ホプキンス大学 応用物理学研究所(APL)は、切断しても、模擬弾で射撃しても作動し、不燃性も持たせたリチウムイオン電池を開発した。研究成果は、2019年10月14日付の『Chemical Communications』誌に掲載されている。

リチウムイオン電池は、ポータブル電子機器や電気自動車など、日常生活で多く使われている。しかし、リチウムイオン電池は可燃性の材料に依存しているため、火災や爆発事故の可能性があり、その安全性の向上は重要な課題だ。また、液体電解質を用いるために密閉包装が必要とされ、1990年代初頭にリチウムイオン電池が商品化されて以来、その形状は円柱や角柱のセル型のまま、ほとんど変わっていない。

研究グループは、可燃性の液体をポリマーに置き換えることで、安全性と形状の改良を目指してきた。今回の研究は、「WiBS:water-in-bisalt(二成分高濃度電解質)」の制限を克服したものだ。WiBSは、水の存在によって本質的に安全だが、エネルギー能力を制限し、一般的なアノード材料と互換性がない。

今回研究グループは、安定なWiBSベースの水系ゲルポリマー電解質(GPE)を開発した。ポリマー母材にWiBS電解質が組み込まれることで、水分活性を低下させ、電池のエネルギー性能とライフサイクルが向上した。高反応性の溶媒を使わないことで、可燃性や毒性といったリチウムイオン電池の欠点を取り除き、その上低コストで広く使用されているアノード材のLi4Ti5O12(LTO)と互換性がある。

このGPEを使った電池は、コンタクトレンズに似た堅牢なフィルム状で、空気に晒された状態でも数日間作動し続ける。さらに切断しても燃やしても作動する。この研究は、水系リチウムイオン電池の最先端を大幅に進展させるもので、新たな過飽和水系ゲルポリマー電解質の実用化への大きな一歩といえる。研究グループは、この成果を次世代の電池技術の基盤を形成するものだとし、さらなる改善へ向けて研究を進めている。

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