- 2020-4-13
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- AN-124-100M-150 Ruslan(ルスラーン), Antonov AN-225 Mriya(ムリーヤ), Buran(ブラン), FlightAware, Flightrader24, アントノフ空港(ホストーメリ空港), スペースシャトル
2018年9月以来、姿を見せていなかった世界最大の航空機「Antonov AN-225 Mriya(ムリーヤ)」が再び大空に舞い上がった。
航空機のフライト状況を提供するFlightrader24やFlightAwareなど複数のサイトによると、AN-225は、2020年3月25日、キエフ近郊のアントノフ空港(ホストーメリ空港)を離陸し、ウクライナ上空で2時間ほどのテストフライトを行った。3月27日にも15分ほどの短い飛行を行っている。
AN-225は全長84メートル、翼幅88.4メートルの超大型輸送機。6基のターボファンエンジンを搭載し、最大離陸重量600トン、有効荷重(ペイロード)は250トン。世界最大の旅客機「Airbus A380」(全長約73メートル、翼幅約79.8メートル、ターボファン4発エンジン、最大離陸重量560トン)よりさらに大きい。
AN-255は旧ソビエト連邦(ソ連)のスペースシャトル「Buran(ブラン)」を運ぶために造られた輸送機で、初飛行は1988年12月21日。ソ連崩壊後は、10年ほどのブランク期間を経て、2001年からアントノフ航空の輸送機として運用されている。
AN-225は機齢30年を超える古い機体ながら、災害支援物資の輸送に活躍しており、2011年の東日本大震災の際には、フランスから福島第一原発事故に対応するための支援物資150トンを載せて成田空港に飛来している。
アントノフ航空は、AN-225より一回り小さい「AN-124-100M-150 Ruslan(ルスラーン)」(全長69.1メートル、翼幅73.3メートル、最大離陸重量402トン、有効荷重150トン)を使って新型コロナウイルス対策物資を中国からヨーロッパへ空輸している。AN-225もこのような物資輸送に投入されるのかもしれない。AN-225は少なくとも2033年までは運用される予定だ。