モーターの排熱で発電する電池レス振動センサーを販売へ――ベアリングの初期異常をセンシングし、設備の点検削減や予知保全に寄与 KELK

KELKは2021年1月19日、モーターの排熱を利用して発電し、ベアリングの異常をセンシングする電池レスIoT(モノのインターネット)振動センサー「熱電EH振動センサデバイス KELGEN(ケルジェン) SD KSGD-SV」の新製品を2021年3月より販売すると発表した。

新製品は、排熱により上昇したモーター表面の温度と外気との温度差を利用したエネルギーハーベスト(EH、環境発電)による自己発電で、温度差10℃以上で動作する。モーターに置くだけで動作し、配線工事や電池交換が不要なため、設置コストや運用コストを低減できる。ベアリングの初期の異常をセンシングし、保全員による巡回点検の削減や設備保全のCBM(予知保全:設備の劣化状態を把握、予知して部品の交換や整備を行う状態基準保全)化に寄与する。

2020年2月に発売した現行品と比較して、振動測定の周波数レンジやサンプリング点数が大幅に向上した。一方で、測定間隔(1回の測定に必要となる電力を蓄電する時間)は現行品のままとなっている。

「KSGD-SV」シリーズの測定仕様の概要

さらに、故障箇所の特定をサポートする「エンベロープFFT」機能を搭載した上位製品「KSGD-SV4」も販売する。エンベロープFFT機能は有線式や携帯型の振動診断計に多く備わっているもので、包絡線で振動波形の振幅成分を外挿し、高速フーリエ変換により衝撃の周波数を特定することで故障箇所を判断する。

ベアリング外輪キズのエンベロープFFT結果<測定回数250回(温度差10℃の環境下の1週間分相当)のデータ>

なお、「KELGEN SD」シリーズは、無線通信網「KELGEN SD-Net」を介してセンシングデータを実証評価用のデータ管理ソフトウェア「KELGEN SDM」に送ることが可能。データは管理用PCに保存できるほか、ユーザーの社内データベースやクラウドにも保存できる。

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