トウガラシの辛み成分で太陽電池の効率を高める

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Jin Yang

中国の華東師範大学は、2021年1月13日、トウガラシに含まれる成分のカプサイシンが太陽電池の効率を高めるという研究成果を発表した。研究成果は『Joule』誌に2020年1月13日付で掲載されている。

ペロブスカイト太陽電池は紫外線や可視光を高効率で電気に変換するが、不完全な結晶構造が電子の通過を妨げ、エネルギーの一部を熱に変換してしまい出力を低下させてしまうことが課題として残っている。

研究者らは、カプサイシンの電気的、化学的、光学的特性と、その安定した特性に注目。MAPbI3ペロブスカイト前駆体に重量パーセント0.1%のカプサイシンを添加して太陽電池を作製したところ、太陽電池の効率が向上することを発見したという。

研究によると、天然添加物であるカプサイシンによる欠陥パッシベーション過程で、ペロブスカイトMAPbI3表面領域エネルギーがp型からn型へと完全に変化することを直接観測したという。これはペロブスカイト活性層中でのpnホモ接合の自発的形成に起因すると考えられ、ペロブスカイト表面から約100nmの位置にpnホモ接合があることも判明した。エネルギー変換と欠陥パッシベーションにより、ペロブスカイト活性層内およびペロブスカイト/PCBM界面での電荷輸送が促進され、欠陥アシスト再結合と界面キャリア再結合が抑制されたという。

今回の研究結果では、カプサイシンを含むペロブスカイトデバイスのエネルギー変換効率(PCE)は21.88%、充てん率は83.81%を達成したと報告されている。この変換効率はペロブスカイト太陽電池として最大ではないものの、p-i-n接合型多結晶MAPbI3太陽電池としてはこれまでで最も高い変換効率だ。

カプサイシンを含むペロブスカイト太陽電池は安定性も向上していることが確認されたが、研究者らは、大量生産するには材料の安定性をさらに高める必要があるとしている。

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Direct Observation on p- to n-Type Transformation of Perovskite Surface Region during Defect Passivation Driving High Photovoltaic Efficiency

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