高精度で異常を検出するAI外観検査ソリューションをダイヤテックスが採用――目視再検査工程の無人化に期待 ロビット

ロビットは2021年2月18日、インラインで全数検査ができるAI(人工知能)外観検査ソリューション「TESRAY」が、国内養生テープトップシェアのダイヤテックスに採用されたと発表した。作業員による目視再検査工程の無人化が期待できるという。

TESRAYは、外観検査工程の自動化に必要となるAI/撮像/ロボティクス技術を全て自社で保有することで、高精度の異常検出が瞬時にでき、インラインで全数検査ができる技術となる。高精度の検査実績を幅広い産業や多様な検査対象に対して持ち、繊維加工品への導入拡大も進めている。

今回、TESRAYを採用したダイヤテックスは現在、不良箇所を画像処理技術を用いた欠点探知機で検知しているが、探知レベルを上げると、正常部を異常部と判定する異常箇所の過検出が生じていた。製品不良となる実際の異常の100倍以上の不良箇所を検出することもあり、目視による再検査実施という作業負荷が重い状況になっていたという。また、異常の分類や程度を定量化できず、作業員の経験や目測にて良否の判断をしていた。そこで、インラインへの導入を前提として、ロビットの設備を用いたTESRAYによる技術検証を実施。その結果、異常部検出99%超、正常部過検出0%となる高精度の異常検出ができた。

この検証成果の大きな特徴として、ディープラーニング技術を基にした同社独自のアルゴリズムにより、製品品質や外観上問題がない繊維のヨレなど、異常部に酷似した正常部を過検出せず、異常部のみの検出に成功していることがあげられる。以下の3つの画像は、左が正常品/異常品の撮像画像、右がAIアルゴリズムの推論結果である。また、異常種類の細分化や異常サンプルの数量増により、さらなる精度向上の目処を立てているという。

<A.正常品>微細な繊維のヨレはあるが、品質影響がないためAIアルゴリズムは過検出せず正常品と判定

<B.正常品>異常品に類似した繊維の織の特徴があるが、後工程等の処理等で品質/見栄えに影響しない正常品をAIアルゴリズムは通検出せず正常品と判定(ヒートマップ上でAIが一定量注目しているが、過検出には至っていない)

<C.異常品>品質/見栄えに影響する繊維の織工程によって生じた異常部をAIアルゴリズムは見逃さずに異常品と判定(B.のヒートアップに比べ、AIの注目量が明らかに多く集中している)

両社は今夏より、養生テープ製造設備のインラインでの運用を開始する予定だ。

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