- 2021-4-15
- 化学・素材系, 製品ニュース
- 3Dプリンター用金属粉末, HTC, HTC40, HTC45, コバルトフリー, ダイカスト金型, ヒートクラック, プラスチック射出成型金型, 大同特殊鋼
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2021/04/210414_daido_01.jpg)
大同特殊鋼は2021年4月14日、ダイカスト金型、プラスチック射出成型金型に適した高熱伝導率3Dプリンター用金属粉末「HTC45」と「HTC40」(以下、HTC)を開発し、4月から販売を開始すると発表した。3Dプリンター用金属粉末DAP-AMシリーズの第一弾としてラインアップする。
HTCは、金型に広く用いられるSKD61(JIS鋼)をSLM方式の3Dプリンターの造形に適した組成に調整しており、金型造形時に発生する割れリスクを大幅に低減する。
室温の熱伝導率はSKD61の1.5倍、3Dプリンターの金型造形で広く用いられるマルエージング鋼の2倍と高く、金型温度の低下によるサイクルタイムを短縮し、熱応力低減によるヒートクラックの発生を抑制するため、金型寿命を向上する。高熱伝導率であることは金型に発生する熱応力を低減し、水冷孔からの割れ防止に効果的だという。
SKD61に比べると、造形ままの硬さが大幅に低くなっており、造形時の割れ発生を大幅低減する。造形後の焼き戻し処理によって、一般的に金型として用いられる硬さに調整できる。また、コバルトフリーとなっており、特定化学物質障害予防規則等で健康障害防止措置が義務付けられたコバルトを含有していないことも特徴となっている。
既にダイカスター数社でHTCで造形した金型の評価を実施しており、良好な結果が得られている。同社は今後、3Dプリンターに適した金属粉末の開発を推進し、DAP-AMシリーズの商品ラインナップを拡充していく。
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2021/04/210414_daido_02.jpg)
HTC40を用いた模擬型造形例(ショットブラスト後)
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2021/04/210414_daido_03.jpg)
HTC45を用いた模擬型造形例(ショットブラスト後)