ガーベラの花の付き方がフィボナッチ数列に従う理由を解明

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ヒマワリやガーベラのような植物は、筒状花という小さな花が多数集まって、頭花と呼ばれる1つの大きな花の形を形成している。筒状花は、フィボナッチ数列に従い螺旋を描いて並んでいることが知られている。今回、ヘルシンキ大学とカルガリー大学の研究チームは、ガーベラの分裂組織で、花の原基がどのように螺旋状にパターン化されるのかを分子レベルで解明した。研究成果は、『米国科学アカデミー紀要(PNAS)』に2021年3月30日付で公開されている。

フィボナッチ数列とは、「1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89……」というように連続する2つの項の和が次の項になる数列だ。自然界では、花びらの数や葉の付き方など、さまざまな場面でフィボナッチ数が出現している。

咲いているヒマワリの種をイメージすれば分かるように、ヒマワリやガーベラの筒状花も、フィボナッチ数に従い規則正しく螺旋状に並んでいる。ヒマワリの筒状花は、中心から外側に向かって右巻きに89本の螺旋、あるいは144本の左巻きの螺旋になっている。ガーベラはヒマワリより螺旋の本数が少なく、右巻き34本、左巻き55本だ。

研究チームは、筒状花の螺旋パターンがどのように決まるのかを分子レベルで解明するために、遺伝子導入が容易なガーベラを用いて研究した。まず、X線トモグラフィにより、さまざまな成長段階の分裂組織を3次元で画像化した。次に、共焦点顕微鏡を用いて、1mm以下の分裂組織において、原基の位置を決定する植物ホルモンであるオーキシンの局在を調べた。最後に、得られたデータに数理モデルを適用して、頭花のパターンを再現した3次元コンピュータモデルを製作した。

その結果、ガーベラの分裂組織は、電子顕微鏡でも原基などの変化を観察できない段階で、すでに分子レベルでパターン化されていることが明らかとなった。ガーベラの頭花部は、外側から中央に向かって分化が進む。成長過程において、分裂組織の複数の位置でオーキシン濃度が同時に最大になる。オーキシン最大(auxin maximum)と呼ばれるこれらの位置は、分裂組織の直径が大きくなるにつれて、フィボナッチ数に従い急激に増える。新しいオーキシン最大は、常に隣り合う2つのオーキシン最大の間に形成され、隣り合うオーキシン最大のうち古い方に近づくように移動する。この横方向の変異が、螺旋が規則的に現れる要因だ。

今回の発見は、飼料や食用として栽培されているヒマワリの生産性にも役立つ情報であり、また同じモデルを使って花を形成する器官の数やパターン化を解説できる可能性があるという。

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Re­search­ers de­term­ine why the spir­als in ger­bera in­flor­es­cences fol­low the Fibon­acci se­quence
Phyllotactic patterning of gerbera flower heads

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