注射器で埋め込める超小型チップを開発――サイバネティック医療を可能に

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コロンビア大学の研究チームは、体内に埋め込み完全ワイヤレスで体温モニタリングができる世界最小のチップシステムを開発した。将来的には、体内の温度を測るだけでなく、呼吸機能や血糖値、血圧などの測定ができるようになる可能性がある。研究成果は、『Science Advance』誌に2021年5月7日付で公開されている。

開発したチップは、大きさが0.1mm3以下のデバイスで、顕微鏡を使わなければ見えないほど小さいが、本体だけで完全に電子システムとして機能する。

信号を送受信するために電子機器に搭載されているRFモジュールは、今回のような超小型機器に対しては発生する波長が大きすぎるため、研究チームは超音波を利用してワイヤレス通信や電力供給のための「アンテナ」のような働きをする圧電トランスデューサーを開発した。開発したチップは、低消費電力の温度センサーと超音波圧電トランスデューサーを一体化した構造となっている。

研究チームはこのチップを注射器を使ってマウスの筋肉に埋め込み、超音波神経刺激法によってインプラント型温度センサーとして生体内で使用できることを実証した。

将来的に、このような小さなチップを人体に埋め込み、体温や他の生理学的パラメータを測定できるようになる可能性がある。体温がモニタリングできるデバイスを大勢の人が埋め込んでいれば、感染症のパンデミックの発生を知らせる早期警報システムとして機能するかもしれない。

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Application of a sub–0.1-mm3 implantable mote for in vivo real-time wireless temperature sensing

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