車載ECU市場、2021年からは回復基調で2030年には15兆円超規模に 富士キメラ総研調査

富士キメラ総研は2021年6月4日、車載ECU(Electronic Control Unit)の世界市場調査結果を発表した。

調査結果をまとめた同社の「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2021 下巻」によると、2020年の車載ECU市場は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で自動車の生産台数が減少したことから、前年比17.0%減の7兆3920億円にとどまる見込みとなった。

しかし、2021年以降は再び拡大基調に乗り、HV/PHV/EV/FCV系や情報系、スマートセンサー、アクチュエータが市場をけん引することによって、2030年には全体で15兆5819億円と、2019年比で75.0%増になると予測している。

2020年の市場を品目別でみると、ボディ系が1兆7340億円(前年比21.9%減)と最も規模が大きく、走行安全系が1兆6824億円(同18.7%減)、情報系が1兆3742億円(同14.3%減)と続く。世界経済の落ち込みで全体的に低迷し、ほとんどのカテゴリーが前年比10~20%縮小になる中、HV/PHV/EV/FCV系は電動自動車の増加によって5812億円(同0.1%増)と微増するとみられる。

HV/PHV/EV/FCV系は2021年も市場をけん引。世界的な経済の回復に伴って他のカテゴリーも復調することで、2021年の市場規模は前年比11.7%増の8兆2548億円になると予測されている。

今後の市場動向について、同社は、自動車生産台数の増加に加え、電装化や電動化、自動運転技術の向上を背景にして、HV/PHV/EV/FCV系やスマートセンサー、アクチュエータの市場が大幅に成長し、情報系や走行安全系も堅調に拡大していくとしている。一方、ボディ系や内燃車での需要が中心のパワートレイン系は伸び悩み、2030年には2019年の市場規模を下回るとみている。

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