電池を交流で使い昇圧回路と合わせて従来より最大約15%高容量に AC Biodeとサレジオ高専

AC Biodeは2021年12月29日、サレジオ工業高等専門学校とともに、既存の電池を交流として使い、昇圧回路と合わせ、同条件下のこれまでのシステムより最大約15%高い容量を得て、ロスも軽減したと発表した。今後、電動自転車で実証実験を実施する。

車両の電動化、蓄電等リチウムイオン電池の安全性、容量増加が求められているが、新しい材料やリチウムイオン電池以外の電池を開発するには、5年以上の期間と多くの資金が必要となる。そこで両者は、既存の材料、製造工程を活用し、電池を交流に使用することで、新しい材料やリチウムイオン電池以外の電池の開発を目指している。

今回、電池を交流で使って昇圧回路と合わせ、これまでのシステムより最大約15%高い容量を得た。主に容量の違いは、電池を直列に並べた際に生じる充電電圧のばらつき低減、電池の内部抵抗を低い状態で使用することに起因する。

AC Biodeは、Biode(バイオード)と名付けた両性電極を活用し、電池単体にて交流で充放電する技術を開発しており、サレジオ工業高等専門学校とともに開発を実施している。開発したBiodeは、電池に入れることで、電極間の電位を下げる。また、安全性を高め、寿命を延ばすほか、使用する半導体スイッチの数をこれまでの半分にする。

今後、諸条件が電圧、電流、静電容量、周波数等によって変わり得ることからアプリケーションに合わせて最適値を追求する。まず、電動自転車で実証実験を実施。ドローン、AGV(無人搬送車)等マイクロモビリティ向けで実験を重ね、商業化を目指す。長期的にはEVや蓄電、バックアップ電源等を狙って引き続き開発していく。

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