透明フィルムとプロジェクタのみで3D表示できる「透明ARディスプレイシステム」を開発 NICT

情報通信研究機構(NICT)は2022年1月31日、ホログラフィックフィルムと複数台のプロジェクタを組み合わせて、複数人が裸眼で3D映像を認識できる「透明ARディスプレイシステム」を開発したと発表した。

同システムはNICTのホログラムプリント技術を応用して開発したものだ。同技術は、計算機合成ホログラムを光学的に再生。その波面をホログラム記録材料に物体光としてタイリング記録する露光技術だ。

NICTが独自開発したホログラフィックフィルム1枚と約30台の小型プロジェクタから構成。プロジェクタでフルカラー映像を投影することで対角35cm、水平視野角60度、垂直視野角10度内で、3Dメガネなどを着用しなくても裸眼で多人数によって3D映像を認識できる。

今回凸版印刷と協力し、同社が所有する南カリフォルニア大学が開発した「ライトステージ」用いて計測した高精度の顔計測データによる3D映像を同システム上に再現することにも成功した。

NICTは今後、3Dコンテンツのさらなる高精細化やシステムの簡素化、多様な3Dデータへの対応などを進め、コミュニケーション分野をはじめ建設や教育、医療などさまざまな分野へ貢献できる技術の開発を目指す。

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