耐熱性と柔軟性を付与するエポキシ硬化剤を開発 ユニチカ

ユニチカは2022年9月1日、エポキシ樹脂に耐熱性と柔軟性を付与できる新たなイミド系エポキシ硬化剤を開発したと発表した。耐熱タイプと柔軟タイプがあり、これらを併用することで、耐熱性と柔軟性を両立するエポキシ硬化物を作製できる。また、東京都市大学との共同研究で、これらの開発品を用いれば高い絶縁性を付与できることも分かった。

この硬化剤にはイミド成分が含まれ、エポキシ樹脂に加えることで、イミド基の効果でエポキシ硬化物の性能が向上する。分子構造を設計して、耐熱性と高強度、低誘電特性を付与できる「耐熱タイプ」と、柔軟性と低誘電特性を付与できる「柔軟タイプ」の2種類の硬化剤を開発した。それぞれ単独でも使用できるが、併用することで耐熱性と柔軟性を両立させることが可能になる。

さらに東京都市大学との共同研究を行い、酸無水物系やアミン系など他の硬化剤を使用したエポキシ樹脂に比べ、高温高電界下でも高い絶縁性を付与できることも分かった。

近年のIT技術の発達で、エレクトロニクス部品は大容量、高速通信に対応するため、高耐熱性、低誘電特性が求められている。しかし、高耐熱性と柔軟性を持つエポキシ樹脂はなく、高温領域での形状安定性が課題となっていた。そこで、同社は耐熱性と柔軟性を両立するエポキシ硬化剤の開発に取り組んでいた。

今後、同社では他社との連携を強化し、さらなる研究開発を進めていく。今回の成果については22年9月6日、東北大学で開かれる「第53回電気電子絶縁材料システムシンポジウム」で発表される。

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