エンプラを用いた3Dプリント技術を確立――製品開発サイクルの早期化や小ロット製造への適用に期待 ポリプラスチックス

ポリプラスチックスは2022年9月12日、同社のエンジニアリングプラスチック「DURACON POM」を用いた材料押出(MEX)方式の3Dプリント技術を確立したと発表した。

MEX方式は樹脂フィラメントを材料とするもので、微小なノズルから溶融吐出しながら描画、積層を繰り返して立体構造を得る手法だ。

MEX方式の3Dプリントでは、非晶性樹脂や結晶化度の低い樹脂(ABS、ポリアミドなど)が用いられている。結晶化度が高く結晶化速度が速いPOMは、収縮および反りの制御やステージ剥がれの抑制が難しく、3Dプリントでは十分な実用化に至っていなかった。

同社は今回、POMのグレード選定の適正化と結晶化挙動に最適化した造形条件とを組み合わせることで、POMを用いたMEX方式の3Dプリント技術を開発した。同技術では、3Dプリント造形品でありながら射出成形品に近い物性を持たせることも可能となっている。

DURACON POMの3Dプリント造形物の曲げ物性

同技術を用いて実モデルを速やかに試作することで、単なる形状確認に加えて、物性や機能、耐久性などの予備評価に適用することも可能となる。製品開発の現場で開発サイクルを早められるほか、小ロットのカスタム製品などの製造工程にも適用できる可能性がある。

同社は今後、強化系グレードを含めた3Dプリント用DURACON POMフィラメント材料のさらなる材料開発を進めるほか、新たな技術ソリューションとしてDURACON POMの3Dプリント造形技術の提供を図る。また、2022年10月にドイツにて開催されるプラスチック展示会「K 2022」への出展も予定している。

DURACON POMフィラメント材料

DURACON POMのMEX方式3Dプリント造形の様子

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