- 2022-10-26
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Airbus U.S. Space & Defense, Jonathan Yaney, NASA, Outpost, SpinLaunch, コーネル大学, 宇宙法協定, 炭素繊維製アーム, 質量加速器打ち上げシステム, 軌道発射システム開発
宇宙開発のスタートアップ企業である米SpinLaunchが2022年9月27日、質量加速器打ち上げシステムによって、NASAや民間企業の観測機器を搭載しての発射テストに成功した。すべての搭載機器を正常に発射/回収し、軌道発射システム開発に向けた重要な飛行データを得た。
質量加速器打ち上げシステムは、直径約90mの真空槽内で回転する炭素繊維製アームを用いて、ロケットを時速約8000kmまで加速させて発射する。回転力を利用することで通常のロケット発射に必要な燃料の70%以上を省けるという。同社は2021年10月に1回目の発射テストに成功。2022年4月にはNASAと宇宙法協定を締結していた。
今回の10回目となる発射テストは、NASAのほか、Airbus U.S. Space & DefenseやOutpost、コーネル大学から提供された観測機器や実験装置を搭載して実施された。搭載機器は、適格性確認プロセスとして、最大 1万Gの重力加速度試験の検査を受けてから発射テストを迎えた。同社は、今回の発射テストで各団体の観測機器が同社の打ち上げ環境に対応できることを実証したとしている。
同社の創業者兼CEOであるJonathan Yaney氏は、「今回の10回目の発射テストは、質量加速器打ち上げシステムを外部のパートナーや研究グループに開放したとして、SpinLaunchにとってのターニングポイントを意味します」と説明した。