- 2022-12-8
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- Matholo Kgatuke, Theodore Hughes-Riley, ウェアラブル・テクノロジー, シリコン, ノッティンガム・トレント大学, 太陽電池, 学術, 繊維製品, 防水ポリマー樹脂, 電子繊維製品
英ノッティンガム・トレント大学のTheodore Hughes-Riley准教授率いる研究チームが、1200個の太陽電池を埋め込んだ繊維製品を開発した。同繊維製品は、携帯電話やスマートウォッチを充電するのに十分な電力を発電でき、温水での洗濯も可能だという。実用性/利便性を兼ね備えた、将来のウェアラブル・テクノロジーとして期待されている。
同繊維製品は、ジャケットなどの衣服やバックパックなどのアクセサリーの一部に組み込める試作モデルだ。51×27cmの大きさの同製品に、5×1.5mmの太陽電池が1200個埋め込まれている。実験では、0.86sunの光量で335.3mWの発電が確認された。1.0sunの場合、最大394mWの発電が可能だ。
すべての太陽電池は、シリコンでできているため化学的に安定であり、さらに、防水ポリマー樹脂に埋め込まれている。同繊維製品は、衣服が日常受ける力を想定して設計されている。通常の服と同程度の強度がありながら、非常に柔軟な配線が施されており、洗濯機で他の洗濯物と一緒に温水40℃で洗うこともできる。
同研究に参加した博士課程の学生Matholo Kgatuke氏は、「本研究は、電子繊維製品がいかに持続可能性の最前線に立てるか、また、既存の技術に対する概念を塗り替える可能性があることを示すものです。私たちは、古くからある繊維技術を現代の技術と組み合わせ、衣服と電子機器に対する人々の認識を変えるかもしれない未来の製品を作りました」と述べた。
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