東工大、室温かつ溶液塗布で製膜できる透明p型アモルファス半導体を開発――正孔の移動度はn型透明アモルファス半導体IGZOに匹敵

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東京工業大学は2018年2月16日、液相から合成できる高移動度の透明p型アモルファス半導体の設計指針を考案し、Cu-Sn-I系半導体で実現したと発表した。

アモルファス半導体は、均質で大面積の薄膜が容易に作製できるため、ディスプレイへの応用に向いている。しかし、アモルファスの半導体は、電子や正孔が動きにくいため、高精細な液晶ディスプレイや有機ELディスプレイの駆動には適用できなかった。

一方、研究グループは、既にディスプレイの駆動に使われているn型アモルファス酸化物半導体のIGZOを開発。n型半導体では、結晶と同等の移動度を持つアモルファス半導体を実現させていた。しかし、p型半導体では同様の機能を持った半導体は実現していなかった。

研究グループは今回、化学結合と構成イオンの軌道の広がりを基に、新たな物質設計指針を考案。Cu(銅)-Sn(スズ)-I(ヨウ素)という3成分系に着目、原料を溶媒に溶かし、室温で塗布することで、IGZOに迫る6~9cm2/Vsという高移動度の透明p型アモルファス半導体の薄膜を得ることに成功した。

また、同薄膜を用いれば、プラスチック基板上に透明pn接合が容易に形成できるので、曲がる透明な電子回路開発に道が拓けると説明。透明n型アモルファス酸化物半導体(TAOS)に匹敵する新しい物質群の創製が期待されるとしている。

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