プラズマを半導体材料に照射する加工技術を開発――同技術で発光デバイスも作製 名古屋大学ら

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名古屋大学は2023年1月10日、同大学と自然科学研究機構 核融合科学研究所、北海学園大学、東京大学の共同研究チームが、プラズマを半導体材料に照射する加工技術や同技術を用いた発光デバイスを開発したと発表した。

半導体の微細加工では、一般的に光リソグラフィという手法が用いられている。一方で、広い面積に対してより低コストかつ簡便にnmレベルの凹凸構造を形成する技術の研究が進んでいる。

また、光工学分野では、広い空間に高強度の光を照射可能で、レーザーと白熱電球の特長を兼ね備えた「ランダムレーザー」が注目されている。主に空港でのセキュリティ検査などに用いられるセンサーや、光殺菌向けの光源としての用途が期待されている。

ただし、ランダムレーザーは不規則な構造を用いているため、レーザー光の発生に要するエネルギーや光の波長といった発光特性の制御、予測が難しいことが課題となっていた。

同研究チームは今回、名古屋大学および東京大学の研究グループが独自開発した装置を実験に採用した。壁材料にプラズマを照射するもので、これを用いて化合物半導体のGaN(窒化ガリウム)にアルゴンプラズマを照射している。

平面基板にそのままプラズマを照射すると、基板全体が均一にエッチングされてしまう。このため今回の実験では、モリブデンの針金を基板の上方に配置した。

プラズマにより飛ばされた少量のモリブデンが基板上に部分的に堆積すると同時に、基板がプラズマでエッチングされる。これにより、モリブデンがマスク(保護膜)として機能し、nmレベルの複雑な凹凸構造の形成が可能となった。冒頭の左側の画像は、この様子を図示したものとなっている。

また、同実験で得たGaN試料のランダム構造は、プラズマの照射条件によって変化させられる。そこで、プラズマ照射条件をさまざまに変えて、試料に光エネルギーを与えてレーザー光を発生させる試験を実施した。

北海学園大学の分光設備により同試料の発光特性を調べたところ、紫外線(波長365nm)のランダムレーザー光が発生していることが判明した。冒頭の右側の画像は、紫外線を発生した同試料を図示したものとなっている。

今回の実験で見出したランダム構造と発光特性との関係性により、構造を制御することで任意の発光特性を有するデバイスを作製できる可能性が示唆される。

また、一度のプラズマ照射で基板の部分的な保護とエッチングを同時に行う技術は、ランダムレーザー以外にも半導体材料を用いたさまざまなデバイス製造への応用が期待される。

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