フィラーとしてバイオマス原料を活用した、環境対応フェノール樹脂成形材料を開発 住友ベークライト

住友ベークライトは2023年4月19日、バイオマス原料を活用した「環境対応フェノール樹脂成形材料」を発表した。フィラーとして、植物の主要成分の一つであるリグニンを活用した「リグニン変性ノボラック型フェノール樹脂」や、バイオマス原料(セルロース系)を活用している。

開発品は、リグニン変性ノボラック型フェノール樹脂とバイオマス由来のフィラーを組み合わせ、バイオマス度を樹脂とフィラーの両面から高めている。

バイオマス由来のフィラーを配合すると一般的に、機械的特性の低下や寸法変化の増大などのデメリットがあるが、バイオマス由来のフィラーの表面積を限定し、樹脂との密着性を向上させ、さらに高充填することでデメリットを克服。車載の機構部品、構造部品用途に適用でき、金属との代替によって軽量化にも貢献する。

開発品のバイオマス度は8~30%。ガラス繊維強化フェノール樹脂成形材料と同等の特性を有する。圧縮成形、射出成形などの各種成形方式に対応する。

開発品の特性

販売開始は、2023年後半からを予定。現在、リグニン変性レゾール型フェノール樹脂、高バイオマス度の樹脂開発を進めており、電子部品分野への展開も進めていく。第三者認証によるマスバランス方式を適用することで、バイオフェノールやバイオホルムアルデヒドを適用した高バイオマス度のフェノール樹脂の生産にも対応する。

セルロース、ヘミセルロースと共に植物を構成する3大成分の1つであるリグニンは、再生可能資源として、耐熱性芳香族樹脂に活用することが期待されている。フェノール樹脂成形材料は、従来から木粉や綿などの有機フィラーを配合しており、バイオマス原料の活用には実績がある。

さらに同社が開発しているリグニン変性ノボラック型フェノール樹脂は、従来のフェノール樹脂とほぼ同等の特性が期待できる技術が確立できている。

関連情報

バイオマス原料を活用した環境対応フェノール樹脂成形材料の開発について | 住友ベークライト株式会社

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