- 2023-6-21
- ニュース, 技術ニュース, 電気・電子系
- OPTIMAL-1, アークエッジ・スペース, レーザー光源モジュール, 三菱電機, 光源モジュール, 宇宙光通信, 宇宙開発, 実証実験, 超小型人工衛星
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2023/06/230621_mitsubishi_01.jpg)
三菱電機は2023年6月20日、宇宙空間での宇宙光通信用光源モジュールの性能実証に成功したと発表した。
人工衛星間でレーザー光線を使用して通信するにあたっては、人工衛星がそれぞれの速度で動くことで発生するドップラー効果(レーザー光周波数の変化)を補正する必要がある。
同社は今回、波長1.5μm帯のレーザー光源モジュールを産学連携プロジェクトで開発した超小型人工衛星「OPTIMAL-1」に搭載した。同衛星は、2023年1月6日に国際宇宙ステーション(ISS)「きぼう」日本実験棟から宇宙空間に放出されている。
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2023/06/230621_mitsubishi_02.jpg)
超小型人工衛星「OPTIMAL-1」
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2023/06/230621_mitsubishi_03.jpg)
ISSから宇宙空間への投入の様子
これにより、ドップラー補正に十分なレーザー光周波数変化量となる60GHzを宇宙空間にて実証した。
なお、OPTIMAL-1はアークエッジ・スペースが主導して開発した。その他、三菱電機に加えて、Pale Blueやセーレン、福井大学、東京大学大学院工学系研究科も開発に参画している。
「OPTIMAL-1」は10×10×34cmと非常に小型なため、従来の大型人工衛星を用いる場合と比較して約3分の1の期間、約100分の1の開発費での実証に成功した。
三菱電機は今後、今回の実証で用いた技術を大規模な宇宙開発プロジェクトにも提案する。また、超小型人工衛星を宇宙空間での重要な実証プラットフォームに位置付け、引き続き産学連携による研究開発を進める。
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2023/06/230621_mitsubishi_04.jpeg)
地上各地とつながる宇宙光通信のネットワークイメージ