スラリー気泡塔反応器を用いたFT合成燃料の生成に成功――カーボンリサイクルへの寄与に期待 住友重機械工業

住友重機械工業は2023年11月21日、SBCR(Surry Bubble Column Reactor:スラリー気泡塔反応器)を用いたFT(Fischer Tropsch)触媒での燃料合成(FT合成)に成功したと発表した。

FT合成とは、一酸化炭素(CO)と水素(H2)の合成ガスから液体燃料(液状炭化水素)を合成する反応を指す。カーボンリサイクル(CO2の再資源化)技術として有望視されている。

SBCRは、液状の生成油中に合成ガスを通気して触媒を分散させるため、FT反応熱を除去して反応温度を一定に保ちやすい特徴があり、連鎖成長の促進が容易となる。

同社は今回、同社が開発した触媒にSBCRを用いて合成ガスを接触させることで、合成ガスからの燃料の合成に成功した。合成した燃料は、ジェット燃料や軽油に相当するという。

同社は今後、触媒の最適化を検討する。また、CO2と水素を原料とし、逆シフト反応器(CO2からCOを作る反応器)とFT反応器を用いて灯油やSAF(持続可能な航空燃料)、軽油などの合成燃料を製造する技術の実用化を目指す。

FT合成燃料は、パラフィン分が多く変性しにくい。また、サルファフリーおよびアロマフリーであり、排気ガスのSOXや煤が生じにくい点もメリットとなる。

さらに、既存の内燃機関や燃料インフラをそのまま使用できるため、エンドユーザーによる追加の設備投資が不要。脱炭素化に向けた導入コストを低減できる。

冒頭の画像は、市販の灯油(左)と今回生成したFT燃料(右)の燃焼の違いを比較したものだ。FT燃料を用いた燃焼では、市販の灯油を用いたものと比べて煤の発生が低減している。

関連情報

SBCRによるFT合成燃料生成に成功 | 住友重機械工業株式会社

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