液体水素用のハーメチックシールを開発 京セラ、JAXA

京セラは2024年3月28日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と共同で、同社の超高真空用気密端子技術をベースとした液体水素用の「ハーメチックシール(気密端子)」を発表した。JAXAの液体水素環境試験にて、世界で初めてハーメチックシールに求められる高気密性の実証に成功している。

水素は、ガスの1/800の体積となる液体水素が大量の運搬、保管に有望だとされているが、液化した水素は非常に低い温度(約-253℃)になり、運搬や貯蔵の過程で長期間安定して保冷する必要がある。

ハーメチックシールは、過酷な極低温という環境下で、タンクの外部から内部へ、またタンクの内部から外部へ信号や電源供給するコネクターの役割を担うため、より高い気密性(耐久性)が求められる。

「常圧水素環境下での耐久性試験」
液体水素を-253℃(約20K)まで急速冷却し、大気中では加熱を行い-40℃~-70℃まで復温させ、再度液体水素温度で急冷する過酷な温度サイクルを約35分間で13サイクル繰り返し、リークが発生しない試験結果を得て、耐久性を確認した(JAXA能代ロケット実験場にて)。

金属とセラミックスの接合技術を保有する京セラと、液体水素に関する豊富な経験と評価技術を保有するJAXAは、2016年から共同研究を進め、液体水素用のハーメチックシールを開発した。

JAXA能代ロケット実験場での過酷な液体水素環境試験では、世界で初めて、5MPa(およそ50気圧)を超える圧力の液化水素流通環境下での高い気密性が実証された。

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液体水素用ハーメチックシール(気密端子)の開発について | ニュースリリース | ニュースルーム | 京セラ

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