海洋生分解性を持つ真球状のポリアミド4微粒子を開発 東レ

東レは2024年4月10日、海洋生分解性を持つ真球状のポリアミド4微粒子を発表した。マイクロプラスチックビーズの使用が禁止される化粧品の原料として、サンプル提供と評価を行い、技術開発を進めて量産販売を目指す。

化粧品や洗顔料などに含まれるマイクロプラスチックビーズは、生物多様性や海洋汚染防止の観点から大きな環境課題となっている。世界各国で規制が始まっており、欧州では2023年9月にマイクロプラスチックビーズの使用を制限する項目がREACH規則(EUにおける化学品規則)に追記され、2035年には、意図的に添加された5mm以下の合成ポリマー微粒子の使用が全面的に禁止となる。

こうした環境問題や規制に対応するため、同社は生分解性を有するポリアミド4の研究と技術開発を進めてきた。真球形状のポリマー微粒子の一般的な製造方法は、大別すると、ポリマーを溶媒に溶かしてミセル(球状物)が形成された後、溶媒を除去して微粒子状に加工する方法、ポリマーを熱で溶融して微粒子状に加工する方法の2種類となる。

しかし、ポリアミド4は溶解できる溶媒が少ないことに加え、融点が高く溶融と同時に熱分解が起こる特異な熱特性を有する。そのため、真球形状を有する微粒子化は、既存技術では困難とされてきた。そこで、独自のポリアミドの微粒子化技術を活用し、これらの課題を解決。ポリアミド4の微粒子化と真球化に成功した。

開発した真球状ポリアミド4微粒子の生分解性は、活性汚泥中での生分解性に加え、土壌と比較して微生物が少ない海洋中でも十分な生分解性を有することを確認している。

生分解性。
OECD301F試験にて、活性汚泥中において28日間で80%以上の生分解を確認。

開発品の発売は2024年度末を目標にしており、化粧品原料としての販売に必要な安全性確認や化粧品成分表示名称の取得を完了。少量試作したサンプルの評価を化粧品メーカーのユーザーと協力して進めている。今後、フィードバックを踏まえ、品質向上と量産体制の構築を進める。

将来的には、バイオマス原料を使用した生分解性ポリマー微粒子の販売を目指す。

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海洋生分解する真球状ポリアミド4微粒子を開発―マイクロプラスチックビーズ問題を解消― | ニュースルーム | TORAY

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