- 2024-6-6
- 製品ニュース, 電気・電子系
- CO2レーザー, GCC-1, GCC-2, GCC-3, GCコア, JPCA Show 2024, LTCC材, ガラスセラミックスコア基板, ビア, 低温同時焼成セラミック, 基板, 微細貫通穴, 日本電気, 次世代半導体, 次世代半導体パッケージ
日本電気硝子は2024年6月5日、ガラス粉末とセラミックス粉末の複合材を用いた、ガラスセラミックスコア基板「GCコア」を発表した。ガラスを用いたコア基板の特性に加え、容易に微細貫通穴(ビア)の加工ができる。
表裏に形成された微細な金属配線を電気的に接続するため、コア基板は微細貫通穴の形成が必要になるが、CO2レーザーで穴をあけると、一般的なガラス基板は一定の割合でクラック(割れ目)が入り、基板の破損につながる恐れがある。しかし、セラミックスの特性も有するGCコアは、高速でクラックレスの穴あけ加工ができる。
また、一般的なガラス基板はレーザー改質とエッチングを用いて穴加工するが、難易度が高く加工に時間が掛かることに加え、設備投資が必要になる。しかし、GCコアの穴加工はCO2レーザー加工機でできるため、経済的で量産コストの低減が期待できる。
ガラスセラミックス材には、同社が独自に開発したLTCC材料(低温同時焼成セラミックス)を使用。誘電率、誘電正接が低く、信号の遅延や誘電損失を低減する。また、ガラス基板と比べて強度が高く、基板を薄くできる。さらに、割れにくいため半導体パッケージの生産プロセスにおけるハンドリング性が向上する。
また、ニーズに合わせて、ガラスとセラミックスの組成や配合比を変更できる。誘電特性に優れた低誘電率タイプ「GCC-1」、樹脂基板の熱膨張に合わせた高膨張タイプ「GCC-2」、強度に優れた高強度タイプ「GCC-3」など、幅広い用途に対応する。
同社は現在、300mm角の基板の開発に成功。2024年内に515×510mmへの基板の大型化を目指す。
なお、300mm角の基板については、2024年6月12日〜14日に東京ビッグサイトで開催される「JPCA Show 2024」に出展する。