イギリス運輸省は2024年5月20日、「自動運転車法」が成立したことを発表した。この自動運転車法の施行により、2026年までにイギリスの公道を自動運転車が走行できるとの見通しを明らかにした。
イギリスの国王演説で発表された自動運転車法は、イギリスは自動運転技術規制の最前線に立ち、2035年までに最大420億ポンド(約8兆4085億円)規模の産業を創出し、3万8千人以上の技能職の雇用を創出する可能性があると、同省は述べている。
この法律の主な目的は、交通事故の原因の88%を占める人為的ミスを、自動運転車によって減らすことだ。自動運転車に求められる安全レベルは、注意深く技能の高い人間と同等以上と定められ、公道走行の認可においては厳格な安全審査への適合が義務付けられる。
加えてこの法律は、自動運転車のドライバーに対する責任の所在を定めている。自動運転モードで走行している間、ドライバーはその車の挙動に責任を問われることはない。保険会社、ソフトウェア会社、自動車会社などがこれらの責任を負うしくみだ。
イギリスの道路における自動運転車の安全性を確実にするため、車両認可システムは完全に独立した事故調査機能がサポートする。企業は車両の安全性を維持し、イギリスの法律に従って運転し続けることを保証する、継続的な義務を負うことになる。
新自動運転車法の成立に向けては、2015年以来、政府と産業界が共同で6億ポンド(約1200億9600万円)以上を投資してきた。この資金援助で革新的な新会社が誕生し、自動運転車両のサプライチェーンが構築され、早期の商業市場への基盤が築かれたと、同省は説明している。
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Self-driving vehicles set to be on roads by 2026 as Automated Vehicles Act becomes law – GOV.UK