ユニチカは2024年6月20日、金属を使用しない触媒を用いたポリエステル重合技術を開発し、世界で初めて工業化技術を確立したと発表した。
同社はこれまでに培った重合技術を生かし、非金属触媒を用いて従来の触媒と同様の重合性を確保し、物性も同等なポリエステルの重合技術を開発した。
開発したポリエステル樹脂は環境に優しい非金属触媒を使用しており、色目は従来と変わらず、金属によるくすみもなく透明性に優れている。溶融加工時の分子量も従来の金属触媒品と同等で、ほとんど低下しない。
PET(ポリエチレンテレフタレート)などのポリエステルは、重合触媒としてアンチモンやゲルマニウム、アルミニウム、チタンといった金属系の触媒を用いており、金属を使用しない触媒では活性が低いため、金属触媒と同等の重合性や物性が得られず、工業化は難しいとされてきた。しかし、近年は金属の枯渇が懸念され、価格も高騰する傾向にあるうえ、用途によっては金属の使用を避けたいケースもあることから、金属を使用しない触媒や重合技術の開発が望まれていた。
このポリエステル樹脂の関連技術は既に特許出願済みで、同社では今後、さまざまな用途に活用していくという。
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