- 2025-3-13
- 機械系, 製品ニュース
- 500kWクラス水素専焼エンジン発電セット実証設備, CO2, MHIET, グリーン水素, パワー・ツー・ガス(P2G)システム, 三菱重工エンジン&ターボチャージャ, 水素, 水素専焼エンジン, 水素専焼エンジン発電セット

三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET)は2025年3月12日、水素100%燃料を用いた運転での定格出力(435kW/1500回転)を達成したと発表した。
実証試験は相模原工場内の実証設備で行われ、同社がすでに水素100%で安定燃焼できる技術を確立している単気筒エンジンではなく、実際の製品を想定した水素専焼エンジン発電セットを使用した。

水素専焼エンジン発電セット実証設備
同社が新たに設計、製造した6気筒500kWクラスの水素専焼エンジンを搭載し、水素の特徴に対する安全機能を追加した補器類を備えた発電セットを用いて検証を行った。
エンジン、発電機、補器類を含むシステム全体を検証したところ、エンジンの起動から定格出力までの発電、停止動作までの実際の発電セット製品同様のシーケンスで、一連の動作を水素100%燃料ですべて安定的に運転できた。また、異常時の保護機能などが有効に機能した。一連の実証試験で得られた結果は、製品に迅速に反映可能だ。同社は今後の製品化に向け、信頼性評価や安全性評価を実施する。
水素専焼エンジンを用いた発電セットは、純水素を燃料とすることで、燃料の燃焼による二酸化炭素(CO2)を排出することなく、分散型電源の脱炭素化に貢献する。
実証試験では、山梨県が取り組む、再生可能エネルギーの余剰電力と水からグリーン水素を製造する「パワー・ツー・ガス(P2G)システム」で生成された、製造過程、実証試験での利用時にCO2を排出しないグリーン水素を使用している。
今後、安全性や信頼性の評価を進め、製品化に向けたプロセスを加速していくという。