電気自動車がわずか数秒で充電できる新型液体バッテリー

英グラスゴー大学の化学者チームは、電気や水素ガスを貯蔵できるナノ分子を用いた液体バッテリーシステムを開発した。この研究成果は、2018年8月13日付で『Nature Chemistry』誌に掲載されている。

このナノスケールの蓄電分子を利用した「ハイブリッド電気水素フロー電池」はエネルギーを貯蔵し、必要に応じて電力を供給したり、燃料にする水素ガスを放出したりすることができる。エネルギーを電力/水素ガスのいずれでも放出できるので、柔軟な運用が可能になる。また、ナノ分子を含む濃縮液を作れば、蓄積できるエネルギー量は10倍になるという。

これを開発したLeroy Cronin教授は、「将来の再生可能エネルギーの有効性を保つには、供給のピークと谷を平滑化する柔軟性のあるエネルギー貯蔵システムが必要だ。我々のアプローチは、これを電気化学的に行う新たな方法を提供するものだ」と述べている。

Cronin教授は更に、「この手法は、電池容量が限られ、充電に何時間もかかっている電気自動車にも応用することができる」と述べている。この新型バッテリーの利点の1つは、材料がポンプで注入できる液体なので、電気自動車を数秒で充電できることだ。ガソリン車を満タンにするのと同じくらいの時間で電気自動車を充電することができ、同時に、古いバッテリー液を抜き取って再充電・再利用できる。

新技術についてCronin教授は、「我々の材料のエネルギー密度は非常に高いので、電気自動車の航続距離を伸ばすと共に、エネルギー貯蔵システムの弾力性を高め電力需要のピーク時に明かりを灯すことができる」と述べ、その有用性に自信を見せている。

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Liquid battery could lead to flexible energy storage

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