京都工芸繊維大学は2024年11月5日、同大学繊維学系の研究室が、着用者の発声によって電気信号を自己発電する「音マスク」を開発したと発表した。
着用者の発声をデジタル化するマスク型の音響センサーは、これまでにもさまざまなものが開発されている。一方で、市販の不織布マスクと比較すると、フィルター性能が劣るものが多かった。
音マスクには、同研究室が独自に開発したエレクトレット超極細繊維膜を採用している。エレクトレットとは、半永久的に電荷を保持する材料を指す。これにより、フィルター性能の向上が期待できるという。
市販の無線通信マイクやヘッドセットと組み合わせることで、電気信号を無線通信して発声内容をタブレット上にテキスト化可能だ。着用者の発声だけを採音できるため、騒音環境下でも通話や音声メモなどに利用できる。
加えて、音楽などの音の電気信号を入力することにより、スピーカーとしても使用できる。
音マスクは衛生的に使えるように、使い捨てを想定しており、本体とエレクトレット超極細繊維膜の原料にはポリ乳酸を使用している。ポリ乳酸はバイオマスから製造可能で、生分解性を示す。
関連情報
繊維学系 石井佑弥 准教授らの研究室が「音マスク (OTO Mask)」を開発しました – 国立大学法人 京都工芸繊維大学