Space Compassは2025年3月3日、NTTドコモと共同で、高度約20kmの成層圏を飛行するHAPS（成層圏通信プラットフォーム）を介したスマートフォンとのLTEデータ通信の実証実験に成功したことを発表した。
HAPSは、高度約20㎞の成層圏を数日から数カ月にわたり無着陸で飛行できる無人飛行体だ。これに中継器などを搭載することで直径100～200km程度のエリアを通信可能にできる。これまで通信エリア化が難しかった空や海上、過疎地域などへ適用が検討されている。
今回の実証実験はケニア共和国で実施された。地上に設置したLTE基地局を地上ゲートウェイ局に接続し、HAPSに搭載した通信装置を介して地上のスマートフォンとのデータ送受信を実施した。HAPS搭載の通信装置は、非再生中継方式と呼ばれる電波を折り返す中継技術を用いたものだ。
実験の結果、地上ゲートウェイ局からHAPSを中継したスマートフォンへの通信で4.66Mbps以上のスループットを確認した。さらに、一定のエリアを通信可能にするために、成層圏を旋回するHAPS機体から地上の一定地点にビームの中心を向ける技術を実装し、HAPSから折り返される電波が地上の試験エリア内で正常に受信できることも確認した。
HAPS着陸時の様子
Space Compassによると、高度18km以上の成層圏を飛行する小型固定翼タイプのHAPS機体を用いて、地上のスマートフォンと無線データ通信に成功したのは世界初となる。両社は今回の実験で得られた結果をもとに、2026年のHAPS商用化に向けた開発を進める。
試験エリアに設置された地上ゲートウェイ局
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ケニア上空の高度約20kmの成層圏を飛行するHAPSを介したスマートフォンへのデータ通信実証に成功 | News | 株式会社Space Compass
