高効率モーター製造向けの部分放電検出器と高電圧リレーボックスを発売――部分放電試験の精度が向上 日置電機

日置電機(HIOKI)は2025年2月20日、モーター試験の精度と効率を高める、部分放電(PD)検出器「ST4200」と高電圧リレーボックス「SW2001」を発売すると発表した。電気自動車(EV)や産業用のインバーター駆動モーターなどのPD試験の精度を高める。

ST4200は、AC PDとインパルスPDの2種類のPD検出機能があり、モーターの潜在的な絶縁不良を生産段階で検出し、出荷後の故障リスクを低減する。高周波電流トランス(CT)を用いて試験中のノイズ干渉を最小限に抑え、モーター生産現場の厳しい環境でも正確なPD検出ができる。

一方、SW2001は、4、8、16、24チャネルの4モデルがあり、多様な試験要件に対応する。抵抗、インダクタンス、レアショート、耐電圧、絶縁抵抗、部分放電(AC PDとインパルスPD)の6種類の試験に対応する複数の機器を接続すれば、試験システムを統合し、モーター試験を合理化できる。

24チャネルモデルは、それぞれ2つのサーミスタ温度センサーを内蔵した三相モーターを、最大3台まで同時に試験でき、検査効率が大幅に向上する。

また、高電圧信号を最小限の漏れ電流で安全に切り替える耐久性の高い高電圧リードリレーを採用し、堅牢な絶縁設計やリレー間のクリアランス距離の最適化、高品質の絶縁材料による配線など多くの絶縁対策を施した。高電圧試験後にモーター巻線に蓄積されるエネルギーによる損傷リスクも最小限に抑え、回路切り替え時に低電圧の試験装置を保護する。

ST4200とSW2001の組み合わせによって、電磁妨害(EMI)やグラウンド・ループ、容量結合などの潜在的なノイズ源が軽減され、より正確で信頼性の高い計測が可能になる。

従来、モーターの絶縁不良検出は50/60HzでのAC高電圧試験が標準だったが、近年のインバーター制御の普及により、PD試験が潜在的なモーター絶縁不良の検出方法として不可欠な試験となりつつある。

PD試験はこれまで電磁波検出方式が用いられていたが、モーター生産現場などノイズが多い環境では、試験結果の精度が課題となっていた。また、最新のモーター生産現場では生産性向上のため、高電圧と低電圧の試験を1つの試験システムで効率的に切り替える必要があり、システムの集約と制御の複雑化という課題も生じている。

こうした課題を解決するため、同社は高周波CT技術を採用したST4200と、複雑化する配線や制御を合理化するSW2001を開発した。

主な用途として、EVや産業用モーター生産での部分放電試験や、静特性試験用モーター試験システムの構築などを想定している。

関連情報

高信頼性、高効率モーター製造向け 部分放電検出器 ST4200 および 高電圧リレーボックス SW2001 を発売 – Hioki

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る