5G技術を活用したNTN通信の接続実験に成功――LEO衛星を経由シャープら

シャープは2025年3月3日、5G技術を活用したNTN（非地上系ネットワーク）通信の接続実験に成功したことを発表した。

今回の接続実験はEutelsat、MediaTek、Airbus Defense and Space、Industrial Technology Researchと共同で、2025年1月～2月に実施した。

シャープは、5G NTN通信に対応するLEO（低軌道）衛星向け地上局用フラットパネルアンテナの開発を進めており、今回の実験では同社のアンテナ試作機を使用して、LEO衛星を経由した5G NTN通信の接続実験を実施した。

実験では、地上のテスト基地局が信号を送信し、LEO衛星を経由して、別地点にある5G NTN通信用モデムに接続したアンテナ試作機が、信号を受信したことを確認した。また、逆方向に同社製アンテナが送信した信号を同経路でテスト基地局が受信できることも確認した。同社によると、5G NTN通信による送受信接続の成功は世界初となる。

（左）実証実験を行った衛星通信試験場（フランスのトゥールーズ）
（右）地上局用フラットパネルアンテナ試作機

同社によると、すでに普及している5G技術を衛星通信に活用することで、アンテナ部材の小型化や軽量化、低コスト化が可能になり、衛星通信市場の拡大への貢献が期待できるという。また、衛星通信とモバイルデータ通信が同方式を採用すれば、通信を相互に切り替えることができるようになり、安定かつ高速大容量の通信が可能になるという。

5G技術を活用したNTN通信の接続実験に成功――LEO衛星を経由　シャープら