JFEスチールは2017年12月12日、三菱ケミカルと共同で繊維強化樹脂を用いた軽量かつ高剛性の自動車用のドア構造を開発したと発表した。
CO2排出量削減や燃費向上のため、自動車車体の軽量化が求められている。軽量化に対応するために、一部の自動車ではドアなどにアルミニウムが用いられているが、アルミニウムはスチール製部品との接触部位で腐食が発生したり、デザイン性の高いプレス成型が困難であったりするという課題があった。
今回開発したドア構造は、同社が独自開発したトポロジー最適化技術を活用して設計。スチール製のドアパネルの内側に、三菱ケミカルのCFRPの中間基材「CF-SMC」(Carbon Fiber-Sheet Molding Compound)成形技術で製作した繊維強化樹脂を装着したものだ。少量の繊維強化樹脂を最適な位置に装着することで、張り剛性の向上とパネルの薄肉化による軽量化を両立させた。
同構造を用いた実物大サイズのドアを試作し計測したところ、従来構造のものより張り剛性が最大61%向上した。さらに、12%の軽量化が可能であることを実証したという。