JFEスチールは2019年1月9日、「JFEトポロジー最適化技術」がスズキの「スイフトスポーツ」に部品形状の設計手法として採用されたと発表した。JFEトポロジー最適化技術で設計することにより、少ない部品重量で最大の衝突安全性能向上を達成できたことによるものだという。
自動車のボディは、数百もの部品を接合して構成される。この場合、部品に荷重が伝達する中で荷重の流れが複雑に変化するため、優れた部品を設計するためには試行錯誤が必要で、多大な時間や労力がかかるという問題があった。そのため、複雑な車体の荷重伝達を考慮した高精度な部品設計方法が求められていた。
一方、トポロジー最適化技術は、与えられた設計空間から要求される特性に必要な要素を残し、最も効率のよい材料の分布を求めることができる解析方法で、従来は鋳物や樹脂の形状最適化に用いられていた。
JFEスチールは、この手法を量産車体における衝突安全性の要件を満たす部品形状の最適化に応用した。さらに、設計空間を車体の一部として解析することで、車体全体の荷重伝達も考慮。正確な伝達計算を可能になり、少ない重量で衝突安全性能を向上させる最適な部品形状を作成できるという。
JFEスチールは、素材提供だけでなく、今回のような自動車の設計段階から顧客と協力し合うEVI活動を今後も展開していくという。また、JFEトポロジー最適化技術を最大限に活用することで、自動車メーカーの車体設計開発に貢献し、車体性能向上や軽量化を実現していくとしている。