三菱電機は2023年6月13日、「産業用フルSiCパワー半導体モジュールNXタイプ」のサンプル提供を同月14日より開始すると発表した。
同製品では、パッケージ内の電極にラミネート構造を採用するなど、パッケージ内の電極構造が改善した。内部インダクタンスが9nHとなっており、Siチップを用いた同社のIGBTモジュール「CM600DX-34T」と比較して約47%低減している。
内部インダクタンスの低減により、機器の過電圧故障の要因となるサージ電圧を抑制。高速スイッチング動作が可能となり、スイッチング損失を抑えることができる。
また、JFETドーピング技術(JFETの不純物濃度を高濃度化し、デバイスを高密度化する技術)を用いた第2世代SiCチップを採用した。これにより、CM600DX-34Tと比較して電力損失が約72%低減している。
従来のNXタイプとのパッケージ互換性も維持した。各種機器において、従来品から容易に置き換え可能となっている。
サイズは62×152×17mm。定格電圧が1700V、定格電流が600A、絶縁耐電圧が4000Vrmsとなっている。