住友電気工業は2017年11月8日、富山大学と共同で、耐熱性に優れたダイカスト用マグネシウム合金を開発したと発表した。
近年自動車業界では、さらなる軽量化の要求に対応するため、主にアルミニウム合金が使用されているエンジン周辺部品を、より軽量なマグネシウム合金に置き換えるニーズが高まっている。しかし従来のマグネシウム合金では鋳造性や耐熱性、部品の製造コスト、リサイクル性が課題となり、アルミニウムからの置き換えは容易ではなかった。
今回同社では、富山大学工学部の才川清二教授と共同で、これらの課題を克服した新たな耐熱マグネシウム合金の開発に成功した。この新合金は、高温(150℃〜200℃)での耐熱性(圧縮クリープ特性、引張強度)に優れ、ダイカスト鋳造性にも優れている。また、再溶解や鋳造時の組成変動が小さく、リサイクルが可能だ。高価な希土類元素も使用していない。
同社では今後、新合金インゴットの生産体制を整え、製品を市場に供給していく予定だ。