ナトリウムイオン電池の実用化を目指す――粉末ナトリウムを添加して充放電性能を改良

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ナトリウムイオン電池の研究

ナトリウムイオン電池の高容量化へ

米パデュー大学の研究チームは、ナトリウムイオン電池の特性を維持する技術を開発したと発表した。ナトリウム粉末を作成し電極にあらかじめ添加することで、より安定で高容量の電池の製造が期待できる。研究成果は2018年8月31日付けの『Journal of Power Sources』に掲載されている。

ナトリウムイオン電池は、ナトリウム層状化合物で作られた正極と電解液の間をナトリウムイオンが移動することで充放電を行う二次電池だ。原理的には、リチウムイオン二次電池のリチウムイオンをナトリウムイオンに置き換えたものと言える。

今日の2次電池の多くは、リチウムイオン電池で、その需要は増大し続けている。リチウム資源の枯渇の懸念が指摘される中、近年、ナトリウムイオン電池の開発が注目されている。リチウム資源の枯渇が進めば、リチウムイオン電池の価格上昇は避けられないが、ナトリウムは地球上に豊富にあり、とても安価だ。

ナトリウムイオン電池の用途としては、ハイブリッド車やスマートフォンが想定されている。ナトリウムイオン電池は急速充電が得意なので、ハイブリッド車における回生ブレーキによる発電を無駄なく貯められる。また、スマートフォンに応用した場合、リチウムイオン電池の6分の1ほどの時間で充電できるという。

確かに金属ナトリウムは反応性が高く、空気中の水分にも反応して燃焼するので取り扱いには注意が必要だが、金属リチウム同様、この性質は制御不能ではない。

しかし、充放電に伴う電池容量の低下という課題がある。ナトリウムイオンは充電時にアノード上でSEI(solid electrolyte interface:固体電解質界面)を形成する。電極保護膜として作用するSEIの形成はある程度許容できるが、SEIの蓄積が進むと充放電に必要なナトリウムイオンを消費してしまうのだ。

ナトリウムイオン電池の電極に粉末を添加

そこで研究チームはSEI形成によるナトリウムイオン損失を補うため、アノードまたはカソードにあらかじめナトリウム粉末を添加する手法を開発した。電池製造工程の変更もわずかで済むという。

ナトリウムの反応を抑えるため、アルゴンガスを満たした容器の中で、ナトリウム粉末を作成した。まず、超音波を使いナトリウムの塊を溶かして薄紫の液体にする。冷却して粉末にした後、ヘキサン溶液中で懸濁させた液体を電極に添加した。

グルコース由来のカーボンGC1100を用いた単極実験では、ナトリウム添加により初回充電サイクルの不可逆クーロン効率が19.3%から8%へ減少した。GC1100とNaCrO2の両極実験では、容量のサイクル特性が約10%改善し、エネルギー密度が約5%向上することを確認した。

研究チームは「今回の研究は、ナトリウムイオン電池の技術を産業へ発展させる可能性がある」と語る。太陽光発電や風力発電施設において、エネルギー貯蔵の低コスト化が期待される。

◇ナトリウムイオン電池の正極と負極についての研究
電池では正極と負極の組み合わせが電池性能を決めるため、ナトリウムイオン電池の実用化も正極と負極の研究にかかっている。正極と負極の性能は、電池の容量にも大きく関わる。そのため、世界各国の研究機関がこぞって研究を進めている。

・従来型の1.4倍の蓄電量を可能にする正極を開発

東大、ナトリウムイオン電池のプラス極を開発 従来型の1.4倍の蓄電量

・高い充放電特性を示す電極材の研究

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・固体ナトリウムイオン電池の負極を開発

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