動作周波数200MHz/平均消費電力50μW以下のスピントロニクス不揮発マイコンを実証 東北大学

東北大学省エネルギー・スピントロニクス集積化システムセンター(CSIS)と東北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)は2019年2月19日、スピン移行トルク型MTJ(磁気トンネル接合)とSi-CMOS技術を組み合わせた集積回路技術を用い、動作周波数200MHzの高性能と平均電力50μW以下の超低消費電力を両立する不揮発マイコン(MCU)を実証したと発表した。

同MCUは40nm CMOSプロセスに、CIESで開発された3Xnm MTJプロセス並びにインテグレーション技術で集積実装することで開発された。これにより、従来のSi-CMOS技術に比べて演算性能と消費電力の性能指数を大幅に向上させている。平均消費電力47.14μwでの動作が可能だ。

MCUなどの集積回路におけるリーク電流に伴う待機電力を削減するための技術として、非動作部の電力供給を停止するパワーゲーティング技術が知られている。しかし、Si-CMOS技術のみを用いた従来のMCUは、搭載されるメモリーが揮発性であるため、パワーゲーティング技術を適用するためには内部情報の退避や復帰動作を伴う必要があり、その効果は限定的となっていた。

一方、同MCUは全ての演算部をスピントロニクス素子技術で不揮発化し、パワーゲーティング技術を細かい粒度で適用することで、無駄な消費電力を排除した。同時に、センサーノード応用におけるさまざまな信号処理を高速に実行するための再構成型演算モジュール、および、演算部とメモリーのデータ転送ボトルネックを緩和。システム全体を高速化するメモリーコントローラーを組み込むことで、超低消費電力性と高速動作性を実現している。

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