ゲート絶縁膜プロセス技術を改良――SiC-MOSFETのチャネル領域の抵抗を約40%低減 東芝

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東芝は2019年5月21日、SiC-MOSFET向けに開発したゲート絶縁膜プロセス技術をさらに発展させ実際の縦型デバイスに適用した結果、従来技術と比較して、チャネル領域の抵抗を約40%低減できたと発表した。同技術を実用化することで、自動車、鉄道、太陽光発電、エレベータをはじめ様々な分野で利用される各種機器の電力変換器の電力損失を低減でき、電力消費量や二酸化炭素排出量削減への貢献が期待されるという。

高効率化や省スペース化、軽量化が求められる自動車、鉄道、太陽光発電、エレベーターなどで用いられる電力変換器には、従来のシリコン(Si)よりも優れた材料特性を持つ炭化ケイ素(SiC)を半導体の材料とするMOS型電界効果トランジスタ(SiC-MOSFET)が使用されている。現在のSiC-MOSFETでは電流が流れる経路の一部分であるチャネル領域の抵抗が大きく、使用時の電力損失低減を阻害している。このため、チャネル領域の抵抗を下げるための新たな半導体プロセス技術が求められている。

東芝は、チャネル領域を形成するゲート絶縁膜プロセスとして、これまで主に使用されてきた酸化窒素ガスの代わりに、毒性がなく取り扱いが容易な窒素ガスを使用するプロセス技術を開発。ゲート絶縁膜の母材となる二酸化ケイ素を窒素ガスで焼鈍(適切な温度に加熱・均熱した後、室温に戻ったときに平衡に近い組織状態になるような条件で冷却する熱処理)する直前に、900℃未満の低いプロセス温度で酸素に接触させるなどの同社独自の処理をした。

この結果、反応性に乏しい窒素ガスを使用しても窒化反応が十分に進み、抵抗増大の要因となっていたチャネル領域周辺の欠陥が修復された。同技術を適用することで、従来と比較してチャネル領域の抵抗は約40%、SiC-MOSFET全体の抵抗は約9%低減した。これにより、素子使用時の電力損失のさらなる低減が可能になるという。

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