光学機器用カラーフィルター等に発生する「膜厚ムラ」形成機構を解明――溶媒の種類、濃度の調整でムラを回避・抑制 東京都市大

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膜厚ムラの形成機構の仮説

東京都市大学は2019年9月13日、光学機器に用いられるカラーフィルター等に製造時に生じる膜厚ムラの形成機構を解明し、このムラを回避、抑制するための指針を発表した。

産業用フィルムなどにみられる膜厚ムラは、製造時のスピンコートによるガラス基盤への塗布工程において放射状に生じるもので、主要因は表面張力の勾配によって流れが駆動されるマランゴニ効果と言われている。

放射状の膜圧ムラの例。レジスト膜をスピンコート法で基板に塗布した際に発生する

発生する膜厚ムラには幾つかの形態があるが、基板中央から外周部に向かう放射状のスジムラは、基板全域に渡って発生するため品質への影響が極めて大きいという。

研究では、スピンコート中に発生する放射状の膜厚ムラの形成機構として、マランゴニ・ベナール不安定性として知られる現象と類似のメカニズムがあると仮説を立て、これを数値計算と実験によって検証した。

膜厚ムラを回避抑制するためには、主要因であるマランゴニ効果を弱めることが有効だという。今回の研究により、溶媒の蒸気圧が低く、樹脂との表面張力差が小さい溶媒種ほどマランゴニ効果は弱まることが分かった。つまり、放射状の膜厚ムラが発生しにくく、発生した場合でもムラの程度が小さくなると予想される。

膜圧ムラが形成される条件範囲の予想(エポキシ樹脂&キシレンの場合)

また、同一の溶媒種を用いる場合は、なるべく初期溶媒濃度を小さくする方がムラを回避または抑制できることも分かった。

この指針は、専門分野の異なる技術者でも一般的に入手しやすい情報をもとに判断できるため、産業界での実用性が高いという。そのため、工業製品の歩留まり率の向上に大きな貢献が期待される。

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