燃料を効率的に生成可能な人工光合成システムを開発――プロトンの移動速度を高速化する構造を発見

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Credit: Marilyn Sargent/Berkeley Lab

太陽光を利用して、酸素や燃料を生成する「人工光合成」。夢のクリーンエネルギー源として世界各地で研究開発が行われているが、アメリカエネルギー省ローレンスバークレー国立研究所(以下、バークレー研究所)は、効率的に燃料を生成できる可能性がある人工光合成システムを開発した。

人工光合成で燃料を効率的に生成するにはプロトン(水素イオン)の高速な動きが不可欠で、これまでの人工光合成システムではそれが悩みの種となっていた。バークレー研究所の上級科学者であるHeinz Frei博士は、「化石燃料を地中に留めたままにしておくには、テラワットものエネルギー、すなわち膨大な量の燃料を生成できなければならない」と述べている。

バークレー研究所の人工光合成システムは、酸化コバルト、シリカ(二酸化ケイ素)、二酸化チタンの3層から成る約0.5μm幅のチューブ数十億本で構成されたタイル状をしている。チューブ内部は空洞で、酸化コバルトに取り込まれた太陽光エネルギーによってチューブ内部の空気中にある水分子がプロトンと酸素分子に解離し、解離したプロトンは高速で動いて二酸化炭素や電子と結合し燃料を形成する。こうすることで、効率よく燃料を生成できるという。現在のシステムで生成されるのは一酸化炭素だが、将来的にはメタノールを生成することを目指している。

研究成果は、科学ジャーナル『Advanced Functional Materials』に掲載されている。Frei博士は「この研究は、気候変動がもたらした喫緊のエネルギー問題解決に貢献するというバークレー研究所のコミットメントの1つだ」と研究の意義についてコメントしている。

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