手作りマスクに最適な素材は?――綿とシフォン生地の組み合わせが好成績という研究結果

手作りのフェイスマスクの素材として、綿とシフォン生地の2種類を組み合わせたものが、エアロゾル粒子を効果的に遮断すると報告された。この研究はシカゴ大学とアルゴンヌ国立研究所によるもので、2020年4月24日に『ACS Nano』に掲載された。

コロナ禍拡大の中、マスクの着用が広く推奨されているが、高機能なN95マスクなどを医療従事者用に確保するため、多くの人は布マスクを自作している。だが、新型コロナウイルスが主に呼吸器の飛沫を介して広がるとされるなか、エアロゾルと呼ばれる最も小さいものは、一般的な繊維の隙間を簡単に通り抜けてしまうという問題がある。

そこで研究チームは、一般的な布地を単独または組み合わせて用いた時、それらが呼吸器の飛沫と似たサイズのエアロゾルを遮断する能力を調べた。具体的には、エアロゾル混合室を用いて直径10nm〜6μmの粒子を生成し、このエアロゾルを、安静時の呼吸に相当する空気流量でさまざまな布地サンプルに吹き付け、布地を通過する前後の空気中の粒子の数とサイズを測定した。

その結果、1層の緻密に織られた綿シートと、2層のポリエステル・スパンデックス・シフォン(イブニングドレスによく使用される薄手の生地)の組み合わせが、ほとんどのエアロゾル粒子(粒子サイズによって80~99%)を遮断した。これは、N95マスクの素材に近い性能だ。また、シフォンを天然のシルクやフランネルで置き換えても、あるいは単に、綿-ポリエステルの詰め綿をした綿キルトを使用しても、同様の結果が得られた。

研究チームの見解によれば、綿のような目の細かい生地は、粒子に対する機械的バリアとして機能し、特定のタイプのシフォンや天然シルクといった静電荷を保持する生地は、静電気的なバリアとして機能する。ただし、1%の隙間が存在することでマスクのフィルタリング効率が半分かそれ以上減少するとして、適切にマスクをフィットさせることの重要性を強調した。

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