「グローバルなスケールで仕事がしたい」「海外で外国人と一緒に働いてみたい」「ものづくりに関わりたい」「チームで大きな達成感を共有したい」、そんな思いを実現できる仕事「プラントエンジニアリング」。グローバルな舞台であらゆる産業を支え、経済や社会の発展に貢献できる仕事としても注目を集めています。
プラントエンジニアリング業界(以下プラント業界)は、プラント建設にあたり、非常に多くの人員を必要とし、多くの雇用を生み出します。きっと興味をお持ちの方も多いことでしょう。そこで、この記事ではプラント業界の概要や、エントリーシート内の志望動機の書き方についてご紹介していきます。プラント業界で好まれる言い回しを押さえて、転職活動に役立てていただければ幸いです。(fabcross for エンジニア編集部)
目次
プラントエンジニアリングの基礎知識
まずは、「そもそもプラントって何?」「どのような仕事があるの?」といった疑問をお持ちの方に向けて、プラント業界の概要を説明していきましょう。
プラントエンジニアリングの「プラント」とは、英語で(「植物」以外に)「工場、設備」を意味します。工場の設計(Engineering)、建設に必要な資材の調達(Procurement)、建設(Construction)を主なビジネスとしています。業界内では、これら3つの分野の頭文字を取り「EPC」と呼んでいます。
また設計、調達、建設のみならず、改造、保守、運転などを担うこともあり、プラントの分野としては、食品、薬品、石油・ガス、発電、浄水等、多岐に渡ります。
プラントビジネスのスケールが大きいため、機械系、土木系、電気系、化学系、IT系、プロジェクトマネジメント系、といったさまざまな職種のプラントエンジニアが連携してプロジェクトを遂行することも多いようです。もちろん技術職だけでなく、法務や財務、営業、人事等の部署とも連携します。
このほか、プラントの分野や職種の多様性に加え、建設地もさまざまです。国内のみならず、砂漠から北極圏まで世界各地でプラントが建設されています。そのため、海外案件では、海外企業と共同でプロジェクトを受注及び遂行するケースが多々あり、まさに世界を舞台に活躍できる、非常にやりがいのある仕事です。
【プラントエンジニアリング】履歴書の志望動機を作るポイント
ダイナミックなスケールのプラント業界では、どういった人が好まれるのでしょう?ここでは、選考の際に求められる志望動機の書き方を紹介します。
志望動機の基本構成を押さえる
まず、志望動機の基本として、採用担当者が理解しやすいよう「1.結論、2.志望理由、3.入社後の目標、4.締め」の4部構成で仕上げることがポイントです。それぞれの内容は以下の通りです。
1.結論:入社する意思と志望理由を簡潔にまとめる
2.志望理由:冒頭で述べた志望理由を具体的なエピソードを交えて膨らませる
3.入社後の目標:入社後にどのように企業に貢献したいかを記載する
4.締め:入社への熱意をもう一度示す
業界や企業に対して理解を深めたうえで志望動機を練る
次に、実際に志望動機を書くにあたり、業界や企業に対して理解を深めましょう。プラント業界の中でも、たとえば、製油所を得意とする企業や、LNGプラントを得意とする企業、発電プラントを得意とする企業、化学プラントを得意とする企業など、企業によって得意とするプラントはさまざまです。
したがって他社にも当てはまる、ありふれた志望動機でなく、独自性を出せる志望動機でアピールすることが肝心です。エントリーシートや面接で独自性を出すためには、できるだけ多くの情報を得ることが欠かせません。業界地図、四季報、日本経済新聞、化学工業日報などから、プラント業界の最新情報を得て業界研究しておきましょう。
それぞれの企業に関する中長期戦略などの詳細情報は、各企業のHPや決算書を確認してみてください。プラント業界では、ひとつのプロジェクトが長期間に及ぶため、特に受注残高に注意してみると、企業の将来性がある程度読めます。当然、プラント業界に携わる友人や知人がいれば直接話を聞くのも良いでしょう。
プラントエンジニアリングで担いたい役割を明確にする
業界と各企業に関する理解を深めたうえで、実際に自分が関わりたい役割を明確にしていきましょう。プラント業界は、機械系、電気系、化学系、土木系など、さまざまな専門に仕事が細分化され、専門性が求められます。自分が携わりたい専門分野を明確にしてアピールできるとより良いでしょう。
自身の保有するスキルや、やりたい仕事、将来のビジョンなどを考慮して希望の分野を決め、特定の分野を強く志望する旨を伝えると、主体性をアピールできます。志望企業の中長期戦略に沿って、「希望の分野に採用された場合にどのように活躍したいか」を書いてください。ただし、ジェネラリストとスペシャリスト、どちらのエンジニアを求めているかは企業によって異なるため、求人票で求める人物像を確認し、企業が求める人材であることをアピールしていきましょう。
【プラントエンジニアリング】履歴書の志望動機の例文
志望動機の構成と方針が固まったら、実際に書いてみてください。ここでは、経験者向けと未経験者向けに分け、志望動機の一例を紹介します。
経験者向けの志望動機
・例文(1)
【結論】私は貴社の機械系エンジニアとして、〇〇プラントの設計に携わりたいです。【志望理由・エピソード】新卒で入社した〇〇株式会社では、〇〇の設計に携わってきました。仕事のやりがいを感じながらも、〇〇プラントに関わりたいと強く思うようになり貴社を志望するに至りました。【入社後の目標・やりたいこと】入社後は、プラントの中枢を担うコンプレッサー関連の設計に貢献したいと考えています。【締め】ものづくりへの情熱は誰にも負けないと自負しており、少しでも多くの知識を、貴社で日々吸収していきたいです。
・例文(2)
【結論】グローバルな舞台で自分の技術力を高めたいです。【志望理由・エピソード】
前職では国内案件を主に担当する中、海外案件を一度担当した際、海外出身のエンジニアから大きな刺激を受けました。貴社では海外案件が多く、エンジニアとしての知見を広げる機会がより多いと考えます。【入社後の目標・やりたいこと】入社後は〇〇エンジニアとして、海外のパートナーや顧客と対等に議論ができるよう、知識と経験を深めて参ります。
【締め】私が技術力を最大化できる場は、貴社が最適と考えます。
未経験者向けの志望動機
・例文(1)
【結論】プラントエンジニアリングを通じ、発展途上国の経済発展に貢献したいと考えます。【志望理由・エピソード】学生時代に〇〇国で〇〇のボランティアを経験した際、現地の方々からいただいた感謝と笑顔を今でも鮮明に覚えています。貴社の〇〇プラントは発展途上国の〇〇分野に影響を与えることができ、私の思いと一致しています。【入社後の目標・やりたいこと】私は〇〇を得意としており、〇〇として活躍できます。【締め】発展途上国の経済発展への貢献を、貴社で実現したいです。
・例文(2)
【結論】私は、地図に残る大きな仕事をし、人々の生活に役立ちたいです。【志望理由・エピソード】私は巨大な建造物に対し魅力を感じてきました。貴社の〇〇プラントで、現地の社会インフラ発展に寄与したいと考えています。【入社後の目標・やりたいこと】入社後は、工事部に所属し、現場でプラント建設に関わり、【締め】後世まで残る産物を造るという偉業に、誇りを持って働きます。
プラントエンジニアリングはとにかく全てが大規模
プロジェクトの金額、プラントそのものの大きさ、建設に関わる人員数、プラントが与える経済への影響、プラント業界では、なにもかもが大規模です。プロジェクトが完遂した時の達成感ややりがいは何事にも代え難く、それまでの苦労がすべて報われることでしょう。これを機に、プラント業界への一歩を踏み出し、グローバルな舞台での活躍を目指しませんか?