【機械設計】未経験からOK!履歴書の志望動機の書き方と例文

機械設計はモノづくりの上流に位置する重要な工程です。ここを担当する機械系エンジニアは、いちから製造に携われるという大きなやりがいを感じられるでしょう。これから製造業を目指そうという方にも人気の職種です。

一方、未経験の方が困ってしまうのが履歴書の志望動機です。自己PRの場所ではあるものの、うまい書き方がわからないことも多いでしょう。そこで本記事では、機械設計の仕事に応募する際の志望動機の書き方や例文をご紹介します。(fabcross for エンジニア編集部)

機械設計の仕事内容と必要なスキル・知識【未経験者向け】

まずは機械設計の具体的な仕事内容や求められる能力を見ていきます。とくに、未経験の方は必要なスキル・知識についておさえておきましょう。

機械設計の主な仕事内容

機械設計とは、機械が動く仕組みを作る仕事です。たとえば冷蔵庫の扉が開いたら電気が点くといった単純なものも、機械設計のひとつです。製品分野は非常に広く、家電製品やIT機器、輸送機械、産業機械などで活躍します。

生産工程のうち、機械設計は上流の企画から設計を担っています。より具体的には、以下のような工程で仕事が進められます。

1.概念設計

機械のコンセプト作成の工程です。クライアントや自社の企画担当者にヒアリングを行い、製作する機械の形状や部品、素材、必要になる技術などを検討します。

2.基本設計

概念設計で検討した概要を実現できるか、CADCAEといったツールを使い、シミュレーションなどを繰り返しながら検証を行います。

3.詳細設計

基本設計からより一歩進んだ微調整の段階です。強度やコストなどを踏まえ、現実的な素材や形状を模索します。また、安全性や環境にも配慮しながら、サンプル品(試作品)等を用いてチェックを続けます。

4.生産設計

量産化を目指した完成図面を作成します。寸法・素材・使用部品はもちろん、加工技術や機械、組み立て方法、仕上げに至るまで、すべてをまとめ上げます。

機械設計に必要なスキル・知識

機械設計の仕事で必要になるのは機械工学の知識です。具体的には、機械力学、熱力学、材料力学、流体力学など、力学を中心とした勉強をしておく必要があります。理系の大学などに通っていた人であれば、ある程度の基礎は身についているでしょう。

また、ソフトウェアの操作、機械工学の知識、コミュニケーション能力も求められます。

概念設計や基本設計の際には、CADやCAM、CAEといった設計のためのツールを用いて細かな作業を行います。基本的な操作ができるのはもちろん、自由自在に高度な機能を使いこなし、作業効率を高めることも重要です。

そして最後がコミュニケーション能力です。機械に関わる技術職は“職人”のイメージが強く、寡黙な印象を持たれがちです。しかし、機械設計はクライアントとの打ち合わせや開発に関わる自社スタッフとの連携など、実は多くの人と接することになります。そこで、スムーズに仕事を進めるためも、コミュニケーション能力が欠かせません。

機械設計の志望動機を作成するポイント【未経験者向け】

未経験の人が機械設計の職に就くためには、企業側に本人のやる気や貢献期待度を感じてもらわなくてはなりません。そこで大切なのが志望動機です。

機械設計に活かせるスキルや知識を示す

機械設計は未経験であっても、これまでの職歴のなかで培った知識・スキルで生かせるものがあるなら、志望動機のなかに含めてアピールをしましょう。

たとえば前職が建築関係でCAD・CAM・CAEを使っていたとなれば、ソフトウェア操作のスキルに期待してもらえます。そのほかにも、大学で機械工学を学んでいたのなら、ある程度の基礎知識を身につけていることがアピールできるでしょう。

また、一見すると機械設計からは離れてはいるものの、社会人としての仕事スキルが評価される可能性も十分にあります。たとえば前職で複数のメンバーと協力しながらWeb開発をしていたとなれば、その対人能力やチームビルディングスキルなどを見込まれるでしょう。

なお、現在機械設計に関する技術や知識を勉強中の場合は、習得レベルを正直に伝えるのがおすすめです。企業側としても、未経験者に完璧なスキルは求めていません。むしろ、勉強中にもかかわらずマスターしているかのように装うのは厳禁。雇用された後でトラブルに発展する可能性があります。

成長意欲をアピールする

未経験は必ずしもネガティブとは言い切れません。実際には、20代の若手の場合、ポテンシャルを考慮して採用の可否を検討してもらえるケースもあります。まだ経験はないものの、一生懸命貪欲に業務へ取り組む姿勢を示せば、伸び代を踏まえて採用にたどり着ける可能性も十分にあります。

また、将来性やモチベーションをアピールするのであれば、中長期的なビジョンと、企業へどのように貢献できるかを伝えるようにしましょう。たとえば、「1年間で基本的な業務は覚え、社内で独り立ちし、2年名以降は自らが中心となった機械設計の企画を立てられるよう成長したい」といった目標です。目指しているキャリアパスを示すことは、やる気のアピールにつながり、採用担当者に好印象を与えるでしょう。

志望する理由を明確にする

どのような職種の求人であっても、明確な志望動機は必要です。業界や企業を研究した上で、なぜその会社に入社したいのかを伝えることは、何よりの“熱意”のアピールになるでしょう。

ポイントになるのは、数ある機械設計の求人のなかから、なぜ志望企業を選んだのかの根拠です。たとえば経営理念やビジョンへの共感、競合優位性や事業・仕事内容に感じた魅力などを、自分の言葉で説明してください。

根拠がぼやけていると、「企業研究が浅い」と捉えられる恐れがあります。「うちの会社に興味がないのだな」などと思われてしまえば、採用から大きく遠のくでしょう。

機械設計の志望動機の例文【未経験者向け】

志望動機は「結論→志望理由→入社後の目標→締め(結論)」の順番を守るのが基本です。それを踏まえた、機械設計の志望動機の例文をいくつかご紹介します。

機械設計の志望動機の例文(1)

貴社のモノづくりへのこだわりに魅力を感じ、機械設計の職を志望いたしました。私はこれまで、家具・家電の設計データ入力をするCADオペレーターとして働いてきました。そのなかで、物の構造に対する興味が湧き、独学で機械設計に関する勉強をはじめました。設計ツールの操作には自信があります。その上で、足りない知識・技術を学びながら1年後には現場戦力になれるよう成長したいと考えています。貴社の美しいプロダクト作りに、ぜひ私も参加させてください。

機械設計の志望動機の例文(2)

人々の暮らしを豊かにする貴社の姿に感銘を受け、機械設計の求人に応募いたします。私は大学時代には材料工学を専攻していました。その知識を生かすことで、未経験ながらも貴社に貢献したいと考えております。現在は小売業に務めておりますが、そのなかで培った顧客目線の対応力を強みに、異業種ならではの意見を発信していきます。ぜひ一度、面接の機会をいただきたく存じます。

機械設計の志望動機の例文(3)

貴社のモノづくりに、私も参加したく志望させていただきました。現在、貴社製品の代理店の営業職として働いています。お客様の笑顔に触れることも大きなやりがいではありますが、それ以上に、今はモノづくりへの興味が強くなりました。貴社製品の魅力は十分に把握しております。入社後は、さらにその魅力を高めるアイデアを出し、貴社に貢献できればと考えています。製造業は未経験ではありますが、やる気で不足を補えるよう努めます。なにとぞよろしくお願いいたします。

機械設計の志望動機の例文(4)

製造業へと飛び込んでみたいと考え、志望いたしましました。成長できる場所を探していたときに、ふと目に付いたのが貴社の製品です。顧客を第一に考えたモノづくりに、大きな魅力を感じました。機械系エンジニアとしての経験はありませんが、持ち前のコミュニケーション能力を生かして働きたいと思います。貴社で仕事ができることを楽しみにしています。

未経験でも機械設計へのチャレンジはOK

機械系エンジニアには知識や経験が求められます。だからと言って、未経験の人が足を踏み入れてはいけない業界では決してありません。知識の習得や資格の取得、ツール操作の練習など、求められる努力はありますが、やる気さえあれば超えられないハードルではないでしょう。モノづくりにチャレンジしたいとお考えの方は、ぜひ機械設計への求人応募にトライしてみてください。

取材協力先

メイテックネクスト

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