曲率半径1mmで100万回屈曲可能なフレキシブルTFTを開発 凸版印刷

凸版印刷は2021年3月12日、曲率半径1mmで100万回屈曲可能な高可撓性/高耐久性と高キャリア移動度を兼ね備える新規構造フレキシブル薄膜トランジスタ(Thin‐film‐transistor、TFT)の開発に成功したと発表した。このTFTは、キャリア移動度10cm2/Vs以上で電源On/Off比107以上という実用的な特性も備えるという。

フレキシブルエレクトロニクス向けのTFTは、可撓性や軽量性などの点から有機TFTが有力視されているが、キャリア移動度が低く、信頼性や耐久性に劣るなど多くの課題がある。一方で、シリコン系や酸化物の半導体から成る無機TFTはキャリア移動度が高く、量産工程も確立しているが、可撓性に改善の余地がある。そのため、キャリア移動度と可撓性、耐久性すべての特性を満たすTFTの開発が切望されているという。

これらの課題解決に向け、凸版印刷は独自の成膜技術/印刷技術/フィルムハンドリング技術を駆使し、シャープペンシルの芯に巻き付けられるような高可撓性、フレキシブルプリント回路基板並みの高耐久性、テレビなどで広く使用されるアモルファスシリコンTFTの10倍以上の高キャリア移動度を兼ね備える新規構造フレキシブルTFTの開発に成功した。

この新規構造フレキシブルTFTでは、量産適用されている技術を活用。開発された新しい構造により、曲率半径1mm/100万回の屈曲試験前後で、キャリア移動度の変動など特性の変化は観察されず、優れた可撓性/耐久性を示した。

今後も凸版印刷は、製造技術の開発を進め、新規構造フレキシブルTFTの可撓性や耐久性、キャリア移動度など特性をさらに向上させ、フレキシブルセンサの用途開拓を進めていくとしている。

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