持ち時間はわずか3分間―――PhDやポスドクがコミュニケーション能力を競う「MIT Research Slam」

Credits:Photo: Amanda Cornwall

全米屈指の名門校であるマサチューセッツ工科大学(MIT)では世界中から集まったエリート学生たちが、各々の専門分野でしのぎを削りながら、研究論文の執筆に励んでいる。しかし、論文の発表に与えられた時間が3分だけだとしたら、そこで試されるのはコミュニケーションスキルだ。

MITでは2023年4月、3回目となるMIT Research Slamコンテストが開催された。PhDやポスドクの参加者が、たった1枚のスライドのみを使用して、わずか3分間で自身の研究の内容や重要性を審査員や非専門家の観客に伝え、コミュニケーションスキルを競い合うのだ。これは「3MT(Three Minute Thesis)」と呼ばれる豪クイーンズランド大学が開発した形式で、現在では世界85カ国、900以上の大学で取り入れられているという。MITの英語研究のディレクターで、Research Slamのプランニングに携わるEric Grunwald氏によると、Research Slamへの参加は英語を第二言語とするPhDやポスドクに特に有用で、コンテストで使ったスライドと説明で採用交渉に成功した参加者もいるという。

今回のMIT Research SlamではGenomic Center for Infectious Diseases(感染症ゲノムセンター)の所長や、ニュースメディアSTAT Newsのフェロー、そしてMITのWriting, Rhetoric, and Professional Communication (WRAP) プログラムのディレクターなどが審査員を務め、優勝者には600ドル(約8万円)が贈られた。

PhD部門では「あらゆる新型コロナウイルス変異種に対して機能するワクチン」を発表したEric Wang氏、ポスドク部門では「電気自動車からの移動体エネルギー貯蔵」を発表したDirk Lauinger氏が審査員と聴衆の心をつかみ、優勝を勝ち取った。MIT Research SlamのYouTubeチャンネルでは彼らの研究内容をわかりやすく説明しようとする姿を見ることができる。

関連情報

Third annual MIT Research Slam showcase highlights PhD and postdoc communication skills | MIT News | Massachusetts Institute of Technology
MIT Research Slam – YouTube

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