- 2025-1-17
- 製品ニュース, 電気・電子系
- DNP, LED, ディスプレイ, ドット, マイクロプリズム, ミニLED, 光拡散フィルム, 大日本印刷, 拡散板, 次世代ディスプレイ, 発光ダイオード, 素子
大日本印刷（DNP）は2025年1月16日、低消費電力で鮮やかな画面を実現するミニLED（発光ダイオード）のバックライト向け光拡散フィルムを発表した。従来のミニLEDディスプレイ等で使われる拡散板を使用せずに、同等の輝度とLEDの素子（ドット）の映り込みを抑えられる。
直径100～300μmほどのLEDが高密度にパネル基盤に実装されたミニLEDは、高い輝度による鮮やかな画質と低消費電力性能を有する。しかし、パネル基盤に高密度に配置したLEDの素子（ドット）が人の目で見えやすいため、映り込みを減らすために拡散板や特殊な印刷パターンを活用していた。その際、厚みのある拡散板を使用すると光の透過率が低く、消費電力量が増えるという課題もあった。
光拡散フィルムでドットの映り込みの低減
同社が開発した光拡散フィルムは、特定の光の波長を透過／反射する誘電体多層膜と、光を屈折させる超微細なプリズム（三角の凸部分）の賦形で構成されている。LEDの真上に出た光はドットの映り込みにつながるため、直線の光は誘電体多層膜で透過させず、設計された入射角度の光だけを透過させ、ドットの映り込みを低減している。
マイクロプリズムは、LEDの光の方向を制御し、左右に光を拡散させる。光の拡散で明るさを均一化することで、ドットの映り込みが低減し、光の利用効率も高まる。開発した光拡散フィルムの厚さは、通常の拡散板と比べ約40分の1の薄さとなる50μmで、ディスプレイの薄型化につながっている。製造工程も簡素化されるため、生産コストの低減も期待される。
光拡散フィルムとLEDの光の拡散のイメージ
拡散板と光拡散フィルムの比較イメージ
同社は今後、光拡散フィルムをミニLED向けに提供する。また、拡大が見込まれるマイクロLEDなどの次世代ディスプレイに向け、光拡散フィルムの技術の展開を目指す。
